「介護が必要になった主な原因」
「介護が必要になった主な原因」
七つのロコチェック
七つのロコチェック

 いつまでも元気に動けるからだでいるために、私たちが日々の生活のなかでできることがあります。その「心がけたい五つのポイント」を日本整形外科学会広報・渉外担当理事で、横須賀共済病院整形外科部長の江畑功医師に聞きました。週刊朝日ムック『首腰ひざのいい病院2020』からお届けします。

【7つの項目でロコモを予防!「ロコチェック」はこちら】

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 いまや世界屈指の長寿社会となった日本では、要介護や寝たきりの状態になることを防いで健康寿命を延ばすことが課題とされ、そのためには「ロコモ予防が重要」といわれています。

 ロコモ(ロコモティブシンドローム:運動器症候群)とは、2007年に日本整形外科学会が提唱した概念で、骨や関節、筋肉、神経など、運動器の障害により、立つ、歩く、走るなどの移動機能が低下した状態をいいます。いつまでも元気に動けるからだでいるためには、ロコモを予防して運動器の健康を維持することが大切です。

 ロコモを予防するためには、(1)要介護になる原因を知ること、(2)自分の運動器の状態をチェックすること、(3)運動習慣をつけること、(4)栄養バランスのよい食事をとること、(5)病気がある場合は早めに治療すること、が重要です。

【寝たきりを防ぐ五つの心得】
1:寝たきり(要介護)になる原因を知ろう
2:今の自分の状態をチェックしよう
3:運動習慣をつけて筋肉を増やし、バランス感覚を整えよう
4:栄養バランスのよい食事で低栄養を防ごう
5:関節疾患がある(痛い、しびれる)人は治療して動けるからだにしよう

 支援や介護が必要になる主な原因をみると、「骨折・転倒」「関節疾患」「脊髄損傷」の運動器の障害が24・6%を占め、認知症や脳血管疾患をおさえて第1位となっています。運動器の障害と要支援・要介護の関係について、横須賀共済病院整形外科の江畑功医師は、こう話します。

「加齢とともに変形性関節症などの病気が増え、骨粗鬆症やバランス感覚の衰えにより、骨折や転倒も増えます。いずれも適切に予防や治療をすれば、改善したり、それ以上の進行を防いだりできますが、ひどくなれば痛みや歩きにくさなどにより要介護や寝たきりにつながります」

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体力・筋力低下を防ぐ運動と栄養が重要