――巨人は、クライマックスシリーズのファイナルステージで阪神と対戦します。今季の阪神の印象は?

 正直、3位を争っていたチームなので、そこまで怖さはないなっていう印象です。キーとなる選手をあげるとするならば梅野隆太郎選手ですね。梅野選手が6番とか7番、8番にいて活躍するのが阪神っていちばん打線の流れが良いと思うんですよ。今季は打点も59もかせいでいるし、得点圏打率は.330。上位には、近本選手、福留選手、大山選手と良いバッターがいますから、ランナーが出た時に、いかに梅野選手を抑えるのかがポイントですね。

 ちなみに梅野選手って、僕の高校の後輩なんですよ。年齢は一つ下で、高校の時は今よりも肩が強くて、バッティングもパンチ力あるし、正直バケモンでした。僕がプロ入った時に巨人のスカウト担当に「梅野は絶対獲ったほうがいい!」って熱望したぐらいですから。

 トップバッターの近本光司選手も嫌なバッターですね。ピッチャーからすると、あんな足の早いランナーに出塁されたら、クイックで早く投げないといけませんし、その影響でフォームも崩れてしまう。安心して投げられないので、近本選手を塁に出さないことも大切ですよ。

 あと阪神といえば、やっぱりファンの力。もうなんていうんですかね…阪神ファンの応援って、すごいんですよ…笑 

 僕も現役の頃、体験しましたが、阪神のチャンステーマの時、マウンドが揺れるんですよ。狭い東京ドームですから音も響くし。おそらくクライマックスシリーズでも東京ドームの半分は阪神ファンで埋まるでしょうから、あの声援にも怯まずにプレーできるかですね。

――巨人で注目している選手はいますか?

 巨人は、岡本和真選手でしょう。亀井善行選手、坂本選手、丸選手の打率、出塁率を考えると、岡本選手の前にはランナーがいるケースは多いはずです。それをいかに岡本選手が長打を打って、得点につなげられるかがポイントだと思います。投手に関しては、中継ぎの右投手が手薄な感じがしますから、マシソン投手の復活も欠かせません。あと田原誠次投手のようなサイドスローの技巧派ピッチャーもワンポイントで使えると幅が広がりますよね。

 自分もクライマックスシリーズで投げたことがありますが、その時は、大量失点で負けていたし、敗戦処理みたいな感じでしたけど、クライマックスシリーズとペナントレースはまったく別物。短期決戦ですし、とにかく先制点を与えないことが大事です。どんな試合になるのか楽しみですね。注目したいと思います。

(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)