ノーヒットノーランを達成したソフトバンクの千賀滉大選手 (c)朝日新聞社
ノーヒットノーランを達成したソフトバンクの千賀滉大選手 (c)朝日新聞社

 ソフトバンクの千賀滉大が6日、ロッテ戦(ヤフオクドーム)でノーヒットノーランを達成した。この日に出したランナーは4つの四死球のみで、2ー0で勝利。育成出身選手のノーヒットノーランは史上初、球団としては76年ぶり2度目の快挙だった。

【ファンが選んだ平成で最もカッコいいバッティングフォームはこの選手!】

 偉業達成に喜びが広がる一方で、試合後のファンの心ない行動が問題となっている。

 実は、この日に登板したロッテの2投手の自責点はゼロ。ホークスが2得点を挙げたのは、センターを守っていたロッテのマーティンが5回と6回に2イニング続けて打球を落球したことが絡んでいた。マーティンは7月に緊急補強で来日してから出場37試合で10本塁打を放っているほか、外野の守備では強肩で走者を刺し、ファンを魅了してきた。これまではライトを守ってきたが、6日は腰痛で戦列を離れた荻野貴司の代わりに来日後初となるセンターの守備につき、エラーを重ねてしまった。

 プロとはいえ野球にエラーはつきもので、選手たちはわざとやっているわけではない。ところが、ホークスの応援団は試合後、「いいぞ!いいぞ!マーティン!」「センター返しホークス!」などと太鼓を叩きながらコール。その様子を撮影した動画がツイッターにアップされた。

 これに対し、動画を見た人から対戦相手への敬意を欠く「侮辱行為だ」と批判がネット上で殺到。「相手を馬鹿にすることは野球ファンがやっていいことなんだろうか」「応援する資格なんてない」など厳しい言葉が並ぶ。ソフトバンクファンからも千賀の偉業達成に水を差す行為に「ロッテさんに申し訳ない」「ファンの一つの行動が選手やチームの評判を下げるのは一番やってはいけない事」といった批判的なコメントが相次いでいる。

 応援団が試合後に活躍した選手の名前を呼ぶのは一般的だが、対戦相手で、しかもエラーをした選手の名前をコールすることは珍しい。反発も大きく、過去には2011年、連敗中の広島カープに向けてソフトバンクファンが「9連敗」コールをして、ソフトバンクの川崎宗則や球団がツイッターで謝罪したことがある。

次のページ
批判を受けた応援団は謝罪文を公開