少子化が続く日本で大学を経営するには、女子高生から評価されることは死活問題である。文部科学省の2019年度の学校基本調査(速報)によると、大学の学部で女子学生が占める割合は45.4%となり、過去最高となった。「女子は専門学校か短大でいい」といった考えは過去のものとなり、4年制大学に進学する女子高生は今後も増えると予想されている。
では、現役の女子高生はどの大学に魅力を感じているのだろうか。大学が持っているブランド力を調査したリクルート進学総研の「進学ブランド力調査2019」によると、関東圏の女子高生が「志願したい大学」の1位は青山学院大だった。
青学といえば、東京の流行発信拠点である表参道駅と渋谷駅の間に青山キャンパスがあり、オシャレで都会的なイメージが強い。2013年から箱根駅伝で4連覇するなど、近年はスポーツにも力を入れている。
それが意外にも、女子高生の「志願したい大学」のトップになったのは今回が初めて。08年の調査開始以来、明治大、立教大、早稲田大とともにつねにトップ4を争ってきたが、12年目で初の栄誉となった。教育ジャーナリストの小林哲夫氏は言う。
「13年4月に文系7学部の1、2年生が通うキャンパスが相模原(神奈川県)から青山に移ったことで、北関東と千葉県の高校生にとっても通いやすい大学になりました。また、15年に移転跡地の相模原キャンパスに新設された地球社会共生学部では、初の卒業生の就職が好調で、採用先上位3社は女子に人気が高い日本航空6人、JTBグループ4人、全日空4人となっています。このあたりも評価され、青学は神奈川県内の優秀な女子高生から『地元であこがれの大学』としても認識されています」
リクルート進学総研の調査項目の回答では、青山が1位を獲得したのは「活気がある感じがする」「校風や雰囲気が良い」「おしゃれな」「明るい」のほか、「自宅から通える」「交通の便が良い」もあった。
就職実績は華やかな分野で目立っている。18年春の青学の就職率は96.27%。キャビンアテンダントの採用者数は関西外国語大に次いで2位の49人、青学出身の女性アナウンサーは慶応、早稲田、上智に次いで4位の21人。TBS「NEWS23」のメインキャスターの小川彩佳も青学出身だ(いずれも『大学ランキング2020』より)。女子の4年制大学への進学率は今後も上がることが予想され、文系学部出身者の就職も好調が続いている。都会的なキャンパスライフに憧れる女子高生にとって青学は今後も魅力的な選択肢となりそうだ。