僕は日本式のプレイング・マネジャーについて、かなり問題だと感じています。
日本でプレイング・マネジャーと呼ばれているのは、「自分もチームのメンバーと同じ業務をやりながらチーム全体の面倒も見ているビジネスパーソン」のことでしょう。また、そういう働き方をしているチームマネジャーがほとんどなので、マネジャーの仕事とはそういうもので、「とにかく忙しいのがプレイング・マネジャー」というイメージが強いと思います。
グーグルのチームマネジャーも、もちろんプレイング・マネジャーです。そして日本の会社のマネジャーに負けないくらい忙しい。ただ決定的に違うのは、「チームのメンバーと同じ業務はしていない」という点です。繰り返しになりますが、プレイングするのは、あくまでも係長なら係長レベル、課長なら課長レベルのチーム内において、なのです。そのマネジャーチームのために議事録を取ったり、企画書をつくったりといった業務をやりますが、自分のチームに関しては、まさにこの本で説明している「マネジメント」に徹しているわけです。
■どちらの働き方のほうが生産性を向上させるか
問題は、同じように忙しいならどちらの働き方のほうがより生産性を向上させるのか、ビジネスパーソンのスキルやキャリアを高めるのか、ということでしょう。その意味で僕は、自分も隣の部下と同じような日常業務をこなしているような日本のプレイング・マネジャーの働き方は、大きく間違っていると思うのです。
自分の部下と同じレベルで業務をこなしている限り、会社全体の生産性を向上させることはできないし、優秀な部下、つまり「次のマネジャー」も育たないのではないでしょうか。