「カレーばっかり食べていましたよ。僕が一番カレーを食べたんじゃないですか。間違いなくこれまでの人生であれほどカレーを食べた経験はない。他の料理も全部美味しかったし食事にはまったく苦労しなかった」

 青星寮といえば特性の絶品カレー。ハマスタでも販売されているほどの美味さを誇り、横浜市内の小学校に給食としてもレシピが提供されている。寮にいた頃の桑原の主食とも言えたそうだ。

ーー24時間体制での栄養補給ができる環境(神里和毅)

「一番印象に残っているのはご飯が美味しかったこと。もちろんカレーは抜群でしたけど、それ以外もすべて美味しかった。24時間自由に摂取できる食事環境は本当に助かった。練習後にすぐ栄養補給できましたから」

「あまり寮から外出することはなかった。プロ入り当時は車もなかったから、どこへ行くにも誰かに頼まないといけない。だからほとんど寮にいた記憶がある。寮の周辺にコンビニもないですからね。寮でのんびりするか練習するかです」

 18年2位入団の神里和毅は、同じく食環境の充実ぶりをあげてくれた。怪我をしたルーキーイヤーはリハビリと強化で長浦にいる時間が長かった。衣食住のすべてを野球に注ぎ込むことができたおかげで、チームに欠かせないリードオフマンに成長を遂げようとしている。

ーーフラットな自分に戻れる原点(倉本寿彦)

「フラットな自分に戻れる場所。独特でノンビリできるんですよ。ハマスタとも東京とも違う時間が流れている。すぐ横が海というのもあるし山もある。普段の生活と違う世界というか……。だから寮を出た今でも、時間ができた時などにふらっと行くことがあります」

「青星寮時代はとにかく練習を必死にやったし、いろいろと考えることも多かった。そういう意味でも今の僕を作り上げてくれた場所、原点と言うのかな」

 神奈川県茅ヶ崎市出身、 名門・横浜高から15年3位で入団した倉本寿彦。打席登場曲に同郷・桑田佳祐の「波乗りジョニー」を使用するなど、地元への思いは強い。現・青星寮がある長浦は海と山があり季節感を感じることができる牧歌的な場所だ。湘南の自然あふれる環境で育ってきた倉本にとって、バイオリズムがシンクロする場所だという。

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気分転換するには最適な環境