ーー気分転換するには最適な環境で一日中いれる場所 (国吉佑樹)

「初めての関東での生活がここで良かったと思う。ただでさえ神奈川は右も左もわからないのに、ここは周りには何もない。行くところがないから、休日には1日中、寮にいることもあった」

「真横は港なのでスタッフの中には釣りとかしている人もいた。それくらいノンビリできるし気分が落ち着く場所だった。朝のラッパなんかも、軍港らしくて良かったですね」

 環境の良さについて語ってくれたのは、10年育成1巡目入団で160キロを超える豪速球がウリの国吉佑樹。青星寮の真横には自衛隊横須賀基地軍港がある。朝のラッパなどで多少、騒がしいこともあるらしいが気分転換にも最適な環境のようだ。

 チーム付き広報の三島輝史氏は、かつて青星寮で副寮長を務めていた。04年ドラフト5位で千葉ロッテに入団し5年間のプロ生活後に現役引退。その後、2年間野球以外での社会人経験を経た後、DeNAへ球団職員として入社した。野球界のみでなく、一般社会も経験している三島氏は青星寮時代に何を思っていたのか。

「ベイスターズの寮の居心地は最高だった。副寮長時代に僕が大事にしていたのは、選手にとってホーム=家であること。寮に帰ってくればくつろげて、精神的にも安心できるように心がけていた。もちろん寮にはルールはありますが、寮に帰って休みたい、と思えるような環境作りを意識していました」

「移転するのは寂しい気持ちはある。これまでの寮や練習場に関わった人は多いし、好きで足を運んでくれているファンの人もいた。そういう方々と同じ気持ちだと思う。簡単には言えないほどの伝統や歴史、思い出がたくさん詰まっている。それらが新しい寮にも継承されて欲しい」

「これまでの大事なものは受け継がないといけない。大切なのはモノだけではなく、人も大事だと思っています。そうすれば新しいものもどんどん出てきて、球団の新しい歴史がどんどん積み重なる」

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ベイスターズとともに街も成長