長浦から追浜へ練習施設は移る。最新式設備が導入され周囲のサポート環境もより充実しチームのさらなる進化が求められる。しかし変わらないもの、変えてはならないものもある。そういうことも念頭にあるのだろう、新しい寮の名前は現在と変わらず「青星寮」だ。

 時を同じくするようにしてJリーグ・横浜Fマリノスの練習場が、横須賀市内(JR久里浜駅周辺)に移転することが決定した。サッカーでは他にも横浜FCがあり、バスケBリーグの横浜ビー・コルセアーズも存在。「横浜熱闘倶楽部」というくくりでの協力関係も築いている。

 港町・横浜には「スポーツ文化」という風がある。

 当初ベイエリアで舞っていた風は、次第に勢力を増し太平洋岸へ向かって流れ始めた。この流れはどんどん大きくなり神奈川全域、そして全国へも向かう勢いを感じる。その渦の中心にいるのは横浜DeNAベイスターズだ。

 プロスポーツの流れが大きく変わりつつある。地元を重視、様々なものを発信するとともに、有形無形な多くのものを還元する。横浜DeNAベイスターズはそれを体現している。横浜、そして神奈川にとって欠かせない存在。のちのちは全国、そしてグローバルになっていく可能性をも秘める。はじめの一歩として、横浜とともに横須賀を大事にする。(文・山岡則夫)

●プロフィール
山岡則夫
1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍やホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!オフィシャルページにて取材日記を不定期に更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。