ヴィッセル神戸のポドルスキ (c)朝日新聞社
ヴィッセル神戸のポドルスキ (c)朝日新聞社

 マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督が師と仰ぐファン・マヌエル・リージョ監督を招聘し、「バルサ流」のポゼッションサッカーを志向していた今季のヴィッセル神戸。ところが4月17日、突如として名将の辞任が発表され、昨季途中まで指揮を執っていた吉田孝行監督の再登板が決まった。同時に主将を務めていたルーカス ポドルスキが「自分に対する信頼が感じられなかった」とキャプテンマークを返上するショッキングな出来事も起き、チーム全体が大いに揺れていた。

 そんな中、注目された新体制初陣の4月20日の浦和レッズ戦。アンドレス イニエスタやダビド・ビジャが負傷欠場する中、吉田監督は「ハードワーク」を求めて秘蔵っ子の小川慶治朗や三原雅俊らを抜擢。守備の立て直しを図った。が、開始早々にセンターバック・大崎玲央のミスからダンクレーが興梠慎三にPKを与えてしまい、早々と先制されてしまう。それでもここから立て直し、後半には古橋亨梧やポドルスキが立て続けに決定機を迎えるなど一方的に押し込んだ。だが、5バックで強固なブロックを作る浦和の堅守をこじ開けられず、0-1で惜敗。リーグ戦3連敗で11位まで順位を下げる格好となった。

「ここ2試合(松本山雅戦とサンフレッチェ広島戦)に比べると自分たちがコントロールしたゲームができた」と西大伍は前向きに語ったが、結果がついてきていない状況は依然として変わらない。ポドルスキが「3連敗の要因? ジャーナリストの方だったら何が原因か言わなくても分かるでしょう」と顔を曇らせ、サンペールも「アンドレスはすごく大きな存在」とイニエスタ不在を嘆いていて、外国人選手と日本人選手の思惑がどこか噛み合っていない印象も少なからず残った。

 Jリーグ外国人枠の拡大に伴って、神戸はここ2年の間に大物スターを続々と獲得した。2017年夏のポドルスキ加入に始まり、2018年夏にはイニエスタ、同年年末にはビジャ、そしてこの3月にはサンペールを補強。華麗な攻撃陣を並べた代償として、2016年から正守護神に君臨してきたキム・スンギュが外国人枠の関係でベンチ外に押し出される形になった。

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大物助っ人獲得の“副作用”が…