■本気で怒る長州力に千鳥もタジタジ

 そんな中、伝説となっているのが昨年5月に放送された長州力(67)がゲストの回。北海道猿払村に行き、大暴れした回が“神回”として今でも話題となっているのだ。

「長州さんの1人ロケというのもめったに観られるものじゃないのですが、やはり衝撃的な内容となりました。地元の人との積極的なふれあいが番組の醍醐味ですが、やっぱり身体が大きいですから、子どもたちが怖がっているのが滲み出ていた。その上、ちょっと何を言っているのかわからないシーンもあり、突っ込みどころが満載で千鳥もいつもより多くVTRを止めていましたね。最後は、酪農家の方の厩舎を見学に行くんですが、乳牛が糞をしている前でロケが行われるんですが、そのことをわりと本気で長州さんが文句をつけていて、千鳥の2人もお手上げ状態でした」(テレビ雑誌ライター)

 同回に限らず、キー局のセオリーでは絶対に見られない映像が満載の同番組は長州力だけでなく、「奇跡を起こしてくれそうなゲスト」を積極的に採用しているように見える。こうしたチャレンジが評価され、人気へと繋がっているのはたしかだ。

「ここ数年、例えばマツコ・デラックス(46)の番組などでトリッキーな一般人をいじる企画が流行っていましたがすでに飽和状態です。そこで丸山桂里奈(35)など、天然のアスリートなどが重用されている傾向がありますよね。また、最近ではプロレス人気が復活するなか、往年の名選手たちもキャスティングにあがってきます。ヒールなのにスイーツ好きというギャップが人気となった真壁刀義(46)さんはロケ番組の定番ですし、強面なのにアニメ好きな一面が暴露された蝶野正洋(55)さんのギャップも面白い。またバラエティ番組では、“何言ってるかわからない”天龍源一郎(69)さん、本間朋晃(42)さんなども確実に引きがある。『相席食堂』の長州力さんを見て、改めてプロレスラーは昨今のバラエティと相性がいいと思います」(放送作家)

 ネット配信がさらに一般化する中で、他では観られない面白い人材の確保は急務となっている。「張り切りすぎた芸人が何かやらかそうとして残念な結果に終わるより、タレントとしての好感度が潜在的に高いプロレスラーやアスリートをそのままロケさせるのは賢い選択」(中村氏)。低迷するバラエティ番組において手堅い視聴率がとれるということで、キー局や地方局ではロケ番組が激増している。どんなタレントを起用するのかが成功の分かれ目になりそうだ。(ライター・黒崎さとし)