お笑いコンビ・千鳥 (c)朝日新聞社
お笑いコンビ・千鳥 (c)朝日新聞社

 大人気芸人に上り詰めた千鳥がMCをつとめる「相席食堂」(朝日放送系)――芸人やタレントが地方の田舎町の食堂に行き、現地の人と突撃で相席をするというロケ番組――が最近、全国的に話題になっている。2018年春からレギュラー番組としてスタートしたが、4月からは番組枠が変更され、30分から1時間番組へと拡大することも発表された。

【画像】千鳥が興奮したセクシー女優

「関西ローカルの番組ですが、TVer(在京民放キー局の広告付き無料配信サービス)のチャンネル登録者数が約8万人もいるんです。その上、Amazonプライムでも配信されるなどネットでの配信に力をいれており、全国での認知につながっています。1月6日放送のスペシャル回は、放送批評懇談会の月間賞の受賞を果たしましたし、有名プロデューサーがツイッターで言及するなど、制作側の人間からも評価が高いんです」(民放バラエティディレクター)

 番組はゲストが1人で旅をする姿をMCである千鳥がスタジオでVTRを見てツッコミを入れていくスタイル。人気の理由は、ゲストの突飛な行動をうまく拾い上げる千鳥のツッコミ力に加え、“クセの強い”ゲストたちの存在がある。お笑い芸人だけとってみても、コロコロチキチキペッパーズのナダル(34)やピン芸人のくまだまさし(45)、野性爆弾のロッシー(43)、スーパーマラドーナの田中一彦(41)など、どちらかといえば飛び道具的なタレントばかり。また、芸人意外では白竜(66)やMr.マリック(70)、獣神サンダー・ライガーなど、ロケに出せばなにか起こりそうなタレントが続々と出演し、果てはセクシー女優の明日花キララ(30)まで登場し千鳥の2人を興奮させていた。

 テレビウオッチャーの中村裕一氏は、番組の魅力をこう語る。

「ロケ先で芸能人を放ったらかして進行を任せるというシチュエーションは、NHKの人気番組『鶴瓶の家族に乾杯』を彷彿とさせますが、まったく似て非なる番組です。まさに料理の素材としてのロケVTRに、千鳥のスパイスの効いたツッコミが加わることで番組として成立し、他にはない唯一無二の味わいとなっています。ロケ芸人として確固たる実力を持つ千鳥の2人にはいくらでもツッコミの引き出しがあるので、そこは心配ありません。逆に言えば千鳥がいないとたちまちグダグダになり、一歩間違うと放送事故になりかねない危険を孕んでいる。そんな危うさも多くの視聴者を惹きつけるのでしょう」


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