復帰なるか中日の松坂大輔(c)朝日新聞社
復帰なるか中日の松坂大輔(c)朝日新聞社

 中日の松坂大輔の早期復帰を望む声が他球団からも上がっているという。春季キャンプでファンに右手を引っ張られた際に右肩に違和感を訴え、2月14日からチームの練習を離脱。リハビリに努めているが、現状は1軍復帰のメドが立っていない。先発陣がコマ不足の中日にとっても大きな痛手だが、他球団からも松坂の早期復帰を望む声は多い。在京の球団関係者は「営業担当としても松坂投手が登板する試合はお客さんがたくさん入るのでありがたいんです。名古屋だけでなく、全国的な知名度がある投手。12球団で最も注目度が高いと投手ではないでしょうか。もちろん復活して欲しいですよ」と早期復帰を熱望している。

 ソフトバンクを退団して、中日に移籍した昨季は日本球界で12年ぶりの白星をマークするなど6勝を挙げてカムバック賞を受賞。右肩痛から復活した姿は感動を呼んだ。甲子園春夏連覇を達成した横浜高校時代、高卒ルーキーの年から3年連続最多勝の偉業を打ち立てた西武時代と松坂の全盛期をテレビで見ていた若手選手もあこがれが強い。横浜高校の後輩のDeNA・筒香嘉智も4月30日に松坂と対戦した際に、「純粋に勝負が楽しかった。打席に入っても走者として見ても、他の投手とはまったく違うものを感じました」と特別な思いを口にしていた。

 北谷のキャンプでは松坂のユニフォームを着たファンの姿が目立った。また、キャンプ序盤には他球団のファンの姿も見られた。理由を聞くと、「阪神のキャンプが休日なので松坂を見に来ました。やっぱり特別な投手なので。阪神は昨年やられたので(松坂が3勝1敗、防御率1.96)、今年はやり返してほしいけど、松坂には頑張ってほしい思いもあります」と話していた。野球ファンに球場で見たいと足を運ばせる松坂の存在は稀有だ。球団の垣根を越えて愛される「平成の怪物」の復帰を皆が心待ちにしている。(中町剛憲)