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古賀茂明「乳児用液体ミルク問題を放置した安倍政権の大罪」

連載「政官財の罪と罰」

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著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

「女性活躍」の本気度が問われる安倍首相 (c)朝日新聞社

「女性活躍」の本気度が問われる安倍首相 (c)朝日新聞社

 18年11月に江崎グリコが、乳児用液体ミルクについて19年春の発売を目指すと発表した。主要国ではすでに販売されていたが、日本では初めてのことだ。

 液体ミルクに関心が集まったのは、熊本地震の時だと解説されているが、実際には、10年前から、この件で厚生労働省に対する「要望」が出されていたことはあまり知られていない。

 そもそも、液体ミルクを販売するのに、どうして厚労省に「要望」、すなわちお願いをしなければならないのだろうか。

【写真】「女性活躍」の本気度が問われる安倍首相

 食品衛生法に基づく厚労省の省令では、乳児用の粉ミルク(調製粉乳と定義されている)については、その規格基準が定められていて、それに適合する粉ミルクだけしか販売ができない。成分や添加物、さらに包装容器についても細かい規定があり、販売するためには、これに適合していることを厚生労働大臣に承認してもらうという手続きが必要だ。一方、乳児用液体ミルクについては、そもそも、この基準自体が定められていないため、承認申請もできないという状況だった。

 また、その承認を得ても、消費者庁が所管する健康増進法という法律の規制があって、「乳児用」という表示をするためには、内閣総理大臣(実際は消費者庁長官)の許可を得なければならない。ところが、ここでも、乳児用液体ミルクについての、許可基準がなかったので、仮に食品安全法上で販売を認められても、「乳児用」という表示ができなかった。このため、乳児用液体ミルクは販売できないとされてきた。

 しかし、海外から輸入された液体ミルクは、すでに販売されている。どうしてかというと、液体ミルクは、食品衛生法上は、乳飲料に該当し、それに関する規格基準は定められているので、普通の乳飲料としてなら販売できる。ただ、「乳児用」という表示をすることはできないので、そういう表示はせずに、販売されていたということになる。

 このように、ちゃんとした基準が定められていないことを理由にして、一部には、海外から輸入された液体ミルクは、正式に乳児用ミルクとして認められていないから危ないとか、使わない方が良いというような「迷信」が流布されたりもしていた。


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