インフルエンザ流行の陰で急増「リンゴ病」 大人もかかる厄介なその症状とは? (3/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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インフルエンザ流行の陰で急増「リンゴ病」 大人もかかる厄介なその症状とは?

連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」

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山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

伝染性紅斑は幼少期にかかったことがなければ、大人になってからも罹患することがある(※写真はイメージです)

伝染性紅斑は幼少期にかかったことがなければ、大人になってからも罹患することがある(※写真はイメージです)

 前述しましたが、私自身、このリンゴ病になりました。実際、伝染性紅斑だとわかったのは、両ほほがリンゴのようになってからでした。その1カ月ほど前から下痢や頭痛、倦怠感が続き、時には頸部の痛みや全身がとても痛く感じ、一日中寝込んでしまうこともありました。まさに、私の体の中ではウイルスが増え、“教科書通り”の症状が出ていたのですね。

 実は、風疹の異型と認識されていた伝染性紅斑。1975年、CossartらによってヒトパルボウイルスB19が発見され、独立した疾患であることが確立されました。1985年には、健康な人のボランテイアにヒトパルボウイルスB19を鼻腔内に接種し、どんな症状が現れるかを観察した調査も行われています。 

■妊婦感染は胎児貧血や流産の可能性も

 パルボウイルスB19感染症には、予防のためのワクチンはなく、特別な治療もありませんが、自然に治癒する疾患です。しかし、妊婦さんや免疫不全、溶血性貧血の方は注意が必要です。日本人の妊婦さんの抗体保有率は、20~50%ほど。妊婦さんが感染すると、流産、子宮内胎児死亡、胎児水腫や胎児貧血など、胎児の合併症を引き起こす可能性があるので、近しい人がリンゴ病になったら、一度相談してみてください。

 1992年にロンドンの病院でパルボウイルスB19感染が発生した際、患者さんとの接触後に手洗いを徹底しなかった職員の間でパルボウイルスB19感染の危険性が高まったことを示唆していたことを報告する論文もありました。手洗いうがいや飲食を共有しないことが予防の上で大切です。

 幼少期にリンゴ病にかかったことがない、記憶がない方は、覚えておいてくださいね。

◯山本佳奈(やまもと・かな)
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー、CLIMアドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)


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山本佳奈

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバーザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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