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インフルエンザ流行の陰で急増「リンゴ病」 大人もかかる厄介なその症状とは?

連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」

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山本佳奈dot.#ヘルス
山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

伝染性紅斑は幼少期にかかったことがなければ、大人になってからも罹患することがある(※写真はイメージです)

伝染性紅斑は幼少期にかかったことがなければ、大人になってからも罹患することがある(※写真はイメージです)

 伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19というウイルスによる感染症。咳やくしゃみなどに含まれるウイルスを吸い込むことによる飛沫感染が主な感染経路です。感染から5日から10日を経て、発熱、鼻づまり、頭痛、吐き気、下痢などの症状が現れます。こうしたインフルエンザに似た症状は、5日間ほど続きます。

 その後、頬に紅斑が現れ、数日後には体幹や四肢にも紅斑が出現します。頬のリンゴのような紅斑は1日から4日で消失し、体幹や四肢の紅斑も1週間程度であとを残さず消えてしまいます。

 また、発疹の有無に関わらず、手や手首、膝や足などに関節痛や関節炎といった関節症状も出現します。子どもよりも成人に、そして女性でより多くみられることが特徴です。

■インフルエンザに似た症状

 両ほほや体幹・四肢の紅斑は、小児ではよく見られますが、成人の場合、典型的な発疹を示さないこともしばしば。そのため、風疹と診断されているケースは、小児よりも成人に多い可能性があることが指摘されています。風疹のような発疹や関節痛・関節炎をきたした627名の抗体を調査したところ、229例で風疹の感染、43例でヒトパルボウイルスB19の感染、7例で麻疹の感染を確認したという1987年の報告からも、診断が難しいケースが多いことがわかるのではないでしょうか。

 リンゴ病で厄介なのは、両ほほの紅斑など、目に見えて症状があらわれる頃には、ウイルスの感染力はすでに失われていること。実は、発熱、鼻づまり、頭痛、吐き気、下痢など、インフルエンザに似た症状の時が、最も感染力を持っている期間であり、気がつかないうちに、ほかの人にうつしてしまっている、ということになります。

 しかし、臨床医のための調査研究などがまとめられている「UpToDate」によると、感染した人の約25パーセントは無症状です。約50パーセントは倦怠感、筋肉痛、そして発熱といったインフルエンザ様の症状しかなく、残りの25パーセントで、紅斑や関節痛がみられるとのこと。感染していても、よくわらないうちに元気になったというケースも少なくないのです。


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