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天皇陵古墳に近代考古学や歴史学の研究成果が全く反映されない理由

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牧村健一郎dot.#朝日新聞出版の本#読書
大神神社の巨大な鳥居 (c)朝日新聞社

大神神社の巨大な鳥居 (c)朝日新聞社

箸墓古墳の奥に三輪山が見える (c)朝日新聞社

箸墓古墳の奥に三輪山が見える (c)朝日新聞社

 健康を意識したウオーキングやトレッキングが流行っているが、どうせ歩くなら、歴史を感じられる古道巡りもオススメだ。奈良盆地東側、山辺の道は、古道巡りの人気のルートだ。山辺の道には数々の神社、万葉歌碑が連なり、巨大な天皇陵古墳も点在しており、歩を進めるごとに古代史を実感できる。この道のハイライトは大神(おおみわ)神社。うっそうとした山をご神体とする神社だ。山辺の道にほど近い箸墓(はしはか)古墳は、こんもりとした緑に覆われ小山かと見まがう。箸墓古墳はじめ巨大古墳はなぜ天皇陵古墳となったのか? 今尾文昭著『天皇陵古墳を歩く』(朝日新聞出版)はそこに意外な視点をもたらす。ジャーナリスト牧村健一郎氏が本書を携え、箸墓古墳を訪ねた。神話、歴史を行き来しつつ、古墳の未来にまなざしを向ける。

【上空から見た箸墓古墳の奥に三輪山が…】

*  *  *
 奈良・吉野へ行った帰り、大神神社と箸墓古墳を訪ねた。大神神社は、最近にわかに神社ファンになった妻の要望、箸墓は歴史好きのわたしの望みだ。地図で見ると両者はごく近い。

 ご神体が背後の三輪山とされ本殿をもたない大神神社は、日本で最も古い神社の一つ。神社ファンなら一度は訪ねたいところだ。大物主神(おおものぬしのかみ)が祭ってある。一方、箸墓古墳(墳長280メートル)は大型の前方後円墳で邪馬台国の卑弥呼の墓ではないか、ともいわれる有名な古墳だ。箸墓は大物主の妻で孝霊天皇の皇女ヤマトトトヒモモソヒメの墓とされる。出かける前は知らなかったが、実は二つの関わりは深かったのだ。

 晩秋の晴れた朝、JR桜井線三輪駅前の大神神社に参拝したあと、山の辺の道を北にとり、しばらく歩くと桧原神社という小さな神社に着く。そこを左に折れて山の辺の道に別れを告げ、奈良盆地にゆるゆる下りてゆくと、色鮮やかな柿の木立の先に、こんもりした森が見えて来る。箸墓古墳である。

 途中に小ぶりなホケノヤマ古墳があるので立ち寄った。天皇陵古墳ではないから、墳丘の上まで登れる。箸墓の向こうに耳成山のかわいいシルエットがのぞき、振り返ると三輪山のなだらかな稜線がやさしい。このあたりは古代史の舞台だったことを実感する。JR線を越して古墳の裾を回り込むと、鳥居のある正面に着く。柵がめぐらされ、中に入れない。携行するのはマップと本書『天皇陵古墳を歩く』だ。


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