「観客動員が悪ければ当然、収入も少ない。知名度が低ければ当然、スポンサーにつく企業もないし、グッズなんかも売れない。当たり前ですがどうやって名前を知ってもらって、まずはアリーナに足を運んでもらえるか」

「おかげさまで平均して2000人くらいはコンスタントに入るようになった。今日(平日火曜日のナイトゲーム)も正直、1500人くらいかな、と思っていたのですが、2090人も入った。新規のスポンサーさんのロゴも今日から入るんです。シーズン途中に本当にありがたい事。これもやはり知名度が上がってきたことの成果だと思うんですよね」

 プロスポーツチームとして2つの例が目の前にある。チームがずっと弱くて客が入らなかったが、強豪になり全国区のブランドにまでなったカープ。常にリーグ上位の安定した強さを誇るも、客足に悩まされているサンフレッチェだ。

「どちらの真似もできないと思います。うちがカープみたいな絶大な人気チームになれるかといえば、正直、無理です。マツダスタジアムのような好立地のアリーナもない。逆にエディオンスタジアム広島(サンフレッチェ本拠地)のように、市内から離れすぎるとチームが強くても集客が厳しいという現実も目の当たりにしている。両方の良いところ、悪いところを見て、いろいろと策を練っているというか……」

「その中の1つが福山市を大事にするということ。現在年間数試合は福山でやっている。シーズン中でも普段から選手によるスクールもやっている。おかげさまで福山での試合はお客さんも入る。福山は岡山県にかなり近いけど、同じ広島県。Dフライズを広島市内だけでなく県民のチームとして認知して欲しい」

「B1千葉や栃木は地元とがっちりタッグを組んでいる。もちろん将来的に専用アリーナを作りたいという大きな夢はあります。でもまずは目先のこと、1つずつ勝って、B2リーグを勝つこと。そして昇格戦を勝つこと、ですよね」

 少し乱暴に言えばリーグ参入自体は、ある程度の規模の町でクラブライセンスをクリアできれば比較的、可能性は高い。他競技だがサッカーJ1参入争い同様、トップリーグへたどり着くのが並大抵な道ではない。

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近い将来でのB1昇格を目標に