2.カウンター対策

 トルクメニスタン戦では堂安律がボールを奪われたところからロングカウンターを受け、無回転のロングシュートで最初の失点。終盤には北川航也が浅い位置で奪われて一気にボールを運ばれ、GK権田修一のファウルでPKを取られた。オマーン戦は失点こそ無かったが、南野拓実が奪われたところから一発でボランチ、高い位置を取っていたサイドバックを越されて2対2となり、惜しいシュートに持ち込まれるなど、守備のリスク管理に課題が出た。

 逆にオマーン戦の後半は前半にラッキーなPKでリードしていたこともあり、リスク管理の方に意識が行き過ぎ、追加点を奪うだけのパワーを攻撃にかけられていなかった。”堅守速攻”の名手として定評のあるクーペル監督のウズベキスタンはトルクメニスタン、オマーン以上に洗練された厚みのあるカウンターを備えている。

 ウズベキスタンはトルクメニスタンに4-0と大勝したが、その先制点と2点目がまさしく鋭いカウンターからもたらされた。イメージしてもらうために1点目を少し具体的に振り返りたい。相手のビルドアップに対して1トップのショムロドフがプレスバックし、バランスが崩れて前にこぼしたボールをトップ下のシディコフが拾い、前に出てきたボランチのアフメドフにパスする。

 そのアフメドフが前にボールを運ぶ間に右サイドからカムダモフが追い越し、ショムロドフとポジションチェンジすると、アフメドフは右に流れたショムロドフにパスした。そしてショムロドフがインサイドを走り込むカムダモフにパスを出し、最後は相手GKが詰めてきたところでカムダモフが中にボールを流すと、ファーからシディコフが飛び込んで合わせた。

 これまでの2カ国より明らかに意図して連動性があり、スピードも個人能力も高いウズベキスタンだけに、カウンターからの失点リスクはかなり上がる。お互いにメンバー変更があっても、そこは変わらないポイントだ。日本はボランチに加えて、サイドバックやセンターバックに入る選手の対応力も問われる。

 センターバックが槙野智章と三浦弦太のコンビであれば走力や守備範囲は高いが、逆に局面の対人戦で守りきれるかどうかも見所になるかもしれない。両サイドバックは森保ジャパンの攻撃だと基本高めになるが、そこからの守備のリカバリーは決勝トーナメントに向けてより考えていく必要がある。“サブ組”の室屋成や佐々木翔がそれを良い意味で示すことができれば、現在は固定的な主力の酒井宏樹や長友佑都にも刺激になるはずだ。

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