「高橋一生が『長年の下積み』の末にブレイク」に鴻上尚史が怒り 俳優志望の息子に悩む父親に贈った言葉とは (2/7) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「高橋一生が『長年の下積み』の末にブレイク」に鴻上尚史が怒り 俳優志望の息子に悩む父親に贈った言葉とは

連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」

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 そして、同じ状況の人に会うたびに質問を繰り返しました。

 驚くことに、全員が全員、似たような答えでした。

 高校時代に演劇部にいた人や、大学時代に学生劇団で活動した人、演劇を見るのが大好きだけど実際にはやらなかった人など、演劇との関係は違っていましたが、30歳で初めてオーディションを受ける理由は同じでした。

 彼女達は言いました。

「高校卒業の時に、俳優になりたくてオーディションを受けようと思ったけれど親に反対されて、大学に行った。大学卒業の時に、今度こそ俳優になりたくてオーディションを受けようと思ったけれど、親に反対されて、就職した。そのまま、働いてきたけれど、ずっと俳優になりたかった。会社をやめてオーディションを受けようと思ったけれど、親が反対するだろうと思ってできなかった。でも、30歳になったら、もう、親に反対されても自分のやりたいことをしてもいいと思った。だから、30歳で初めてオーディションを受けに来た」

 みんな、同じ内容でした。まるで台本があるかのように、みんな同じことを話しました。30歳になったら、ようやく親に対して自分のやりたいことをしていいんだと、決意できたようでした。

 でね、エイ助さん。僕はその言葉を聞きながら、内心、深い溜め息をつくのです。

 オーディションでは、そうやって語る30歳の女性の横に、18歳や22歳の女性が並んでいます。

 プロの音楽家とかプロのスポーツ選手になりたいと希望するケースで想像すると分かりやすいでしょう。

 どんな楽器でもどんなスポーツでも、早く始めた人が有利なのは当たり前なのです。

 18歳で俳優を目指して、ダンスレッスンをしたり、発声のトレーニングをするのと、30歳から始めるのでは、プロの俳優になれる可能性はうんと違います。

 もちろん、どんなものにも、絶対ということはありません。30歳からスタートして、プロの俳優になれる人がいるかもしれません。でも、18歳や22歳から始めた人よりは、その可能性ははるかに低いだろうと思うのです。


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