そのうえで、「フジと日テレ、平成のテレビ業界をリードして来た2つの局がくしくも、平成の終わりに揃って苦戦を強いられているというのも興味深い現象ですよね」(同前)

 一部から韓流のゴリ押しや偏向報道などとの批判の声が上がり、平成23~24年には大規模な抗議デモが立て続けに発生し、すっかりアンチを増やしてしまったフジだが、その影響はいまだに尾を引いている。

 同局の局員はこう語る。

「赤字続きやスポンサー離れが続く中、さすがにここ最近は上層部や編成も危機感をあらわにしていますが、時すでに遅しというのが率直な感想ですね。ウチの局がネットを中心に叩かれ始めた当時、『所詮はネットだろ?』というどこか見下した感覚や驕りが局内にはあったと思います。もっと早い段階で視聴者に対して謙虚な姿勢を見せていれば、ここまで嫌われることはなかったと思うのですが…」

 一方、フジが凋落する中、民放の雄として黄金時代を築いた日テレもここに来てその勢いに陰りが見え始めている。

「昨年10月、ウチの局がテレ朝い抜かれ、視聴率3冠王を逃したことや『世界の果てまでイッテQ!』のやらせ騒動、フリー転身後の争奪戦を制して獲得した有働由美子アナを配しリニューアルした『NEWS ZERO』の低迷など暗い話題が続ています」とは同局の情報番組スタッフ。

 そして、逆風が吹き荒れるようになった象徴的な転機をこう語る。

「最近だと今年1月期に放送された『anone』の惨敗や『イッテQ!』騒動もそうですが、一番の転機はやはり『24時間テレビ』に対する世間の評価の変化でしょうね。昔はウチの長寿番組の中でも『笑点』と並んで老若男女から愛されるイメージの良い番組だったのですが、近年は『感動の押し売り!』や『障がい者を利用するな』、『チャリティー番組なのに出演者にギャラを出すな』といった厳しい意見も多い。名物企画の『チャリティーマラソン』に関してもSNSで実況されて“ワープ疑惑”を検証されたりもしています」(同前)

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猛追するのはテレ朝とネット…