視聴率3冠王から陥落したフジテレビ(c)朝日新聞社
視聴率3冠王から陥落したフジテレビ(c)朝日新聞社
『世界の果てまでイッテQ!』のやらせ騒動で謝罪した日テレの大久保好男社長
『世界の果てまでイッテQ!』のやらせ騒動で謝罪した日テレの大久保好男社長

 娯楽の多様化、そしてインターネットの登場により、有史以来の危機に瀕しているテレビ業界。

【『世界の果てまでイッテQ!』のやらせ騒動で謝罪した日テレの大久保好男社長】

 間もなく終わりを告げようとしている「平成」は、黄金時代を築いた「昭和」と比べるとテレビ業界全体にとって暗い時代となったが、そうした中でも民放各局は30年以上にわたってしぎを削り合ってきた。

 2019年元旦はテレビ朝日が2011年以来、8年ぶりに視聴率3冠王に輝いた。1日の視聴率は全日(午前6時~翌日午前0時)10・5%、ゴールデン20・0%(午後7~10時)、プライム(同7~11時)18・7%を獲得し、全局トップだった。

 一方、 ビデオリサーチの調べによると、18年の年間平均視聴率(1月1日~12月30日)が全日、ゴールデン、プライムで首位になったのは日本テレビ。テレ朝の猛追をかわし、5年連続の「3冠」となった。

 日テレは全日=7・9%、ゴールデン=12・0%、プライム=11・6%で、テレ朝は全日=7・7%、ゴールデン=10・5%、プライム=10・6%と僅差だった。

 昨年10月の月間視聴率(1~28日)では、テレ朝=7・7%、日テレ=7・6%とテレ朝が全日帯トップに立ち、日テレが2013年12月から君臨してきた「3冠」を4年10カ月で止めていた。

 1989年の平成元年から90年代初頭にかけて「東京ラブストーリー」や「101回目のプロポーズ」などのトレンディードラマで昭和の流れを継続し、黄金時代を築いたのがフジテレビだった。

 その後、「THE夜もヒッパレ」や「電波少年」、「恋のから騒ぎ」などのバラエティー番組で台頭した日テレが94年から03年までの10年間にわたって視聴率3冠王を奪取。

 04年から10年までの7年間は再びフジが視聴率3冠王に返り咲いたものの、その後は不調が続き、日テレの黄金時代へ。

 だが、そんな日テレにも「落日」が迫っているようだ。

 芸能評論家の三杉武氏は、「テレビの世界がまだ流行の発信源や憧れの対象だった時代、どちらの局もドラマやバラエティーを中心に数多くの人気番組を制作し、視聴者を魅了しました」と振り返る。

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日テレの躓きのきっかけは…