パチンコ店と見間違うような、ど派手なネオンがトレードマークだった「スーパー玉出」の創業者で不動産会社「玉出ホールディングス」社長、前田託次容疑者(74)を12月3日、大阪府警は組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の収受)の容疑で逮捕した。

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 前田容疑者は「日本一の安売王」というキャッチフレーズで、バラエティ番組にも出演する名物経営者として知られていたが、暴力団との「交友」は地元では以前から指摘されていた。

 大阪府警によると、前田容疑者が逮捕されたのは、大阪で「遊郭」と知られる飛田新地の一角に所有していた物件を、山口組系極心連合会幹部とその内妻の女に「売春を行う場所」として貸し、その収益から家賃収入を収受していた容疑だ。

 暴力団幹部と内妻の女は、すでに今年5月に売春防止法違反容疑で逮捕されている。問題の土地と建物は、1990年に前田容疑者が個人で取得し、以前はスーパー玉出が出店していた。だが、その後、取り壊し、暴力団関係者に貸していた。

 前田容疑者の親族が法人に所有権を移転し、月額家賃45万円で、今年2、3、4月の家賃として計135万円を受け取ったことで立件された。

「確認できた分で、2014年から18年までで、約2000万円を受け取っている。最初の頃は前田容疑者自身が直接、受け取っていた模様だ。親族に社長の法人の銀行口座に家賃を振り込ませ、その後、自身が支配するスーパー玉出に振替入金させていた。その後、前田容疑者自身が『安売り王』としてテレビ出演し、派手なネオン看板でスーパー玉出が人気になり、知名度が上がったので、暴力団が売春で稼いだカネを直接、受け取るのはまずいと思い、別会社を迂回させたとみられる」(捜査関係者)

 抜群の「知名度」を誇り、外国人観光客らがインスタ映えすると大挙して、訪れる大阪名所となっていたスーパー玉出。

 道頓堀川のグリコのネオン看板の横にまで、ど派手な看板を出すほどにまでに成り上がっていた。

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スーパーを売却後も病院買収に執念