だが、今年6月にスーパー玉出を大手鶏卵メーカーの関連会社に売却。その後は、鳴りを潜めていた。

「表舞台から引いた格好の前田容疑者だが、金儲けへの執念は相変わらずでファミレスで会った時も『病院を買収する』と嬉しそうに話していた。一方でスーパー玉出の売却先からは、暴力団との関わりなど重要な事実を隠して買収させたとしてクレームをつけられて困っていた」(前田容疑者の知人)

 名物経営者としてバラエティ番組に進出していた前田容疑者だが、暴力団との「交友」は以前から知られていた。

 1998年5月、スーパー玉出が外国人の不法就労で摘発されたこともあった。

「山口組の代紋が入った灰皿に湯呑などが、押収された。外国人を斡旋していたのも山口組関係者で、スーパー玉出の関連会社に常駐。斡旋した外国人1人あたり1万円を受け取っていた。いわば、暴力団のフロント企業だった。スーパー玉出の出入り業者で親睦団体を設立し、そこを通じて、山口組関係者に資金を“上納”したこともあったようだ」(捜査関係者)

 今回の事件も、六代目山口組の最高幹部の一人が率いる極心連合会ナンバー2が関与しているとみられる。スーパー玉出で今も働く男性はこう話す。

「昔から、業者に無茶な値引きを要求したり、従業員に無理難題をふっかけ、言うこと聞かないと、前田元社長は、手を出すと脅していた。従業員の間では『暴力団と関係あるんじゃないか』とささやかれていた。今回の逮捕で、ああやっぱりなと大半の従業員は驚くことなく納得してニュースをみています」

 大阪名物のど派手看板の「暗部」にメスが入った格好だ。(AERAdot.編集部)