古賀茂明「ゴーン、ルノー“悪人説”は菅官房長官、経産省、メディアにも好都合」 (2/7) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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古賀茂明「ゴーン、ルノー“悪人説”は菅官房長官、経産省、メディアにも好都合」

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著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

ゴーン氏を「極悪人」にしたい人が日本では多い?(c)朝日新聞社

ゴーン氏を「極悪人」にしたい人が日本では多い?(c)朝日新聞社

 だからと言って、彼の行為が正当化されるわけではないが、このことは一応頭に入れておいた方が良いだろう。

 そう考えると、不思議なことに気づく。それは、日本でもフランスでも十分な報酬をもらえないと感じたゴーン氏が、日本では不正に手を染めたのに、何故フランスのルノーではそれをしなかったのかということだ。

 これからフランスでも問題が出てくる可能性はないとは言えないが、少なくとも、フランスのルメール経済・財務相は、「事件発覚後に調べさせたが、何も出てこなかった」と述べているので、100億円近い報酬の過少開示というような問題が出てくる可能性は低いだろう。

◆悪者はゴーンと日産で、ルノーは悪くない

 こうした日産とルノーの違いを大きく報じるメディアがないので、日本の多くの国民は、ゴーン氏が悪者で、日産は被害者だと信じているかもしれない。さらに、ゴーン氏はフランス政府とルノーの手先だというイメージが作られつつある。

 しかし、本来は、悪者はゴーン氏と日産であって、少なくともルノーは何も悪いことはしていないということは、しっかり認識しておかなければならない。

 ゴーン氏がルノーでも同じことを試みたが、途中で阻止されたのか、ゴーン氏が不正など無理だと考えるほど、しっかりしたガバナンスの仕組みがあったのか。いずれにしても、日産では不正ができてルノーではできなかったということは、日産にとっては、隠しておきたい「不都合な真実」に違いない。日産の杜撰なガバナンスがゴーン氏の不正を生んだと言われかねないからだ。

 そこで、とにかく「ゴーンが悪い!」というキャンペーンを行い、「彼はルノーとフランス政府の手先となって、不当に日産を搾取し、さらに日産を完全支配しようと企んだ」というイメージを一気に拡散している。

 しかし、ルノーでは日産と違って報酬過少開示などは行われていないし、43%超の株主として、日産の経営に口出しすることは、ルノーにとっての当然の権利だということを考えれば、ルノーが立派な会社かどうかは別にして、少なくとも、「悪者」だというには無理がある。


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