今井絵理子参院議員(右)と橋本健被告 (c)朝日新聞社
今井絵理子参院議員(右)と橋本健被告 (c)朝日新聞社

 元SPEEDのメンバーで自民党の今井絵理子参院議員が「交際宣言」をしていたお相手、元神戸市議の橋本健被告が詐欺罪に問われた裁判で10月29日午後、懲役1年6月、執行猶予4年の有罪判決が神戸地裁で言い渡された。

 起訴状によると、橋本被告は、11年から14年度の政務活動費について市政報告の制作費など架空の領収書を添付し、虚偽の収支報告書を作るなどして、計690万円を騙し取ったとされる。これまで、神戸市長や同議会などからも幾度となく、自らの責任で政務活動費の不正使用をきちんと説明するように求められていた橋本被告。

 この日、判決が言い渡されても表情を変えることはなかった。そのまま、会見もせず、報道陣から逃げるように姿をくらましてしまった。

 昨年7月に週刊新潮で今井議員との不倫疑惑が報じられ、政務活動費の不正受給問題も発覚。同年8月に市議を辞職していた。

 新幹線のグリーン車で手をつなぎ、ホテルで同じ部屋に宿泊するシーンまでが明らかになった2人。その後、今井氏との対談が掲載されている市政報告を2016年の参院選前に配布。その費用を政務活動費で支払うなどしていたことで、市議を辞職にまで追い込まれた。その後、神戸市議会などから刑事告発され、検察に起訴されていた。

 橋本被告は、政務活動費の疑惑が報じられると架空の領収書を作成した印刷業者に「口裏合わせ」を依頼するなど犯行の隠ぺい工作にまで行っていたことが明らかになった。

 検察側は公判で、橋本被告の対応に「悪質な犯行であり強い非難に値する」と厳しく指摘。

 さらに騙し取った690万円の政務活動費の使途について、検察は「東京への交通費、宿泊費など私的に使っていた」とも明らかにした。今井氏との交際費に流用した疑いが出ている。

 他にもキャバクラやガールズバー、ゴルフなど私的な遊興費にも使っていたと指摘した。

 橋本被告は、法廷で全面的に検察側の主張を認め、「反省しています」と涙ながらに、情状を訴えていた。

 だが、自民党の神戸市議は怒り心頭でこう語った。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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