有吉弘行が命名した「おしゃべりクソ野郎」品川祐の嫌われる力とは? (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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有吉弘行が命名した「おしゃべりクソ野郎」品川祐の嫌われる力とは?

連載「道理で笑える ラリー遠田」

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「品川庄司」の品川祐 (c)朝日新聞社

「品川庄司」の品川祐 (c)朝日新聞社

 また、同じ番組の「好感度低い芸人」という企画では、キングコングの西野亮廣と並んで、嫌われ芸人のツートップの地位を確立した。嫌われていることを受け入れられず大騒ぎする西野に対して、優しく諭すように慰めの言葉をかける品川の悟りきった姿が印象的だった。

 そして最近、立て続けに品川のテレビ出演があった。10月4日放送の『アメトーーク!』では「ありがとう品川」という企画が行われた。出川哲朗、狩野英孝、ロッチの中岡創一といった芸人が、収録現場で自分たちをさりげなく助けてくれる品川に感謝を捧げていた。「ひな壇の申し子」である品川の高度なテクニックによって、多くの芸人が密かに救われていたのだ。

 出川は世間の人が品川のことをどう思っているかを知るために街頭調査を行っていた。そこで明らかになったのは、10代の若者の多くがそもそも品川のことを知らなかった、という事実である。確かに品川がバラエティの最前線で活躍していたのはもう10年も前の話だ。10代が彼のことを知らないのも無理はないのである。

 また、10月20日放送の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)では、品川庄司というコンビとして登場。コンビ仲が悪く解散寸前まで行っていた2人が、どうやってそこから立ち直ったかを語っていた。

 大きな失敗を経験した人を呼ぶというコンセプトのこの番組で、品川はなぜかこれまで一度も呼ばれていなかった。その理由は、品川が過去の振る舞いのせいでスタッフに本当に嫌われていたからだという。嫌われ方があまりにも行き過ぎていたために、そういう失敗談を持つ人間が呼ばれるはずの番組にすら呼ばれなかったというのだから、恐ろしい話である。

 世間のイメージが悪くて嫌われがちな人でも、スタッフにまで本当に嫌われている人は実はあまりいない。なぜなら、一緒に仕事をする相手であるスタッフに嫌われたら、仕事がなくなってしまい、タレントとして生きていくことが難しくなってしまうからだ。ところが、品川はスタッフに愛想を尽かされながらも、有り余る才能を生かして「嫌われ」を芸にしてしぶとく生き延びている。絶体絶命の逆境からはい上がるその姿は、他人の目を気にしがちな現代人に勇気を与えてくれるかもしれない。(ラリー遠田)


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ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・ライター、お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)、『なぜ、とんねるずとダウンタウンは仲が悪いと言われるのか?』(コア新書)など著書多数。近著は『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)。http://owa-writer.com/

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