1位はお家芸の社会人投手から齋藤を選択した。150キロ前後のストレートを前面に押し出したパワーピッチングが持ち味の本格派右腕であり、現在の先発陣にはいないタイプである。大学まではストレートだけが特徴だったが、社会人の2年間で変化球の精度も格段にレベルアップした。大きな注目を集めた今年の都市対抗ではボールが抜ける悪い癖が出て初戦敗退となったが、春先までのピッチングはまさに社会人ナンバーワンにふさわしいものだった。山岡泰輔、田嶋大樹とともに社会人卒の三人がローテーションの中心となるというのも、オリックスのチームカラーに合っているように見える。

 2位の清水は今年の春の東都大学野球で防御率1位にも輝いている実力者。齋藤ほどのストレートの威力はないが、全ての球種をしっかりコントロールすることができており、フォークとツーシームという縦変化の決め球を持っていることも大きい。大きく貯金を作れるタイプには見えないが、しっかり試合を作れるだけにリリーフ陣の強いオリックスであれば1年目からそれなりの勝ち星を残す可能性もあるだろう。

 5位の福田は不足している左のリリーフ候補。順位が低いのは170cmと小柄なことと地方の大学リーグに所属しているという理由が大きく、決して実力が低いというわけではない。昨年の明治神宮大会では創価大を相手に11奪三振で完封勝利を挙げるなど、チームの準優勝に大きく貢献した。シャープな腕の振りから投げ込むストレートは数字以上の威力を感じ、コーナーを突く制球力も持ち合わせている。ここ一番というところで三振を奪えるのも長所だ。短いイニングで思い切り腕を振れば、さらにストレートの威力は増し、早くからリリーフとして使える可能性も高いだろう。

 野手では吉田正尚が大きく成長し、4番は目途が立っただけにその前後を打てるような右の大砲候補を狙いたい。3位の中山は東京六大学で通算11本塁打をマークしている大型打者。2年秋に東京六大学選抜の代表としてヤクルトの交流戦で3安打を放ち、一躍注目される存在となった。見るからにたくましい体つきで打席での雰囲気は申し分なく、芯でとらえた時の打球の迫力はアマチュア球界トップクラス。今年の春にはサイクルヒットをマークしているように、大型だがそれなりに脚力があるのも長所。追い込まれると右方向へ軽打できるうまさがあり、リーグ戦の通算打率も3割を超えている。

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