「ラーメンを通じて、日本という国のワクワク感や楽しさを伝えたい」(※写真はイメージです)
「ラーメンを通じて、日本という国のワクワク感や楽しさを伝えたい」(※写真はイメージです)

 海外での日本食ブームを受けて、外食産業の海外進出が活況だという。「AERA English 2018 Autumn & Winter」(朝日新聞出版)では、社会人に求められる英語力を徹底リサーチ。積極的に海外へ出店を増やす「一風堂」に、今、求められる人材と英語力について聞いた。

*  *  *

 世は空前の日本食ブームだ。2006年に海外で約2万4000店だった日本食レストランが、17年には約11万8000店と急増している(農林水産省推計)。

 そんななか大躍進している日本企業が、とんこつラーメン「一風堂」で知られる力の源ホールディングス(HD)だ。08年に「IPPUDO NY」を出店して以来、北米、アジア、ヨーロッパなど海外13カ国・地域に86店舗(2018年6月末時点)と、積極的に出店を増やしている状況にある。

「ラーメンを通じて、日本という国のワクワク感や楽しさを伝えたい」と話すのは、人財戦略本部の関口照輝さんだ。例えばいまは、「ZUZUTTO(ズズッと)」というキーワードを世界に発信している。

「音をたててすすることをタブー視する国は多いですが、日本の麺類は、すすることでさらにおいしくなる。そんな日本特有の食文化を、実際にラーメンをすすることで世界中の人に実感してほしい。店内の装飾、店員のサービスやユニホームなどすべてを含めて、海外店舗は日本文化を伝えるショーケースだと思っています」

■海外で求められるのはTOEIC900点

 力の源HD の海外店舗には、直営店とライセンス契約店がある。いずれの店舗も、日本人社員が現地での立ち上げに携わる。

「現地での交渉や契約はもちろん、現地採用のスタッフに弊社の思いを伝えることも大事な仕事。そのためには、高い英語力は不可欠です」と関口さんは言う。

「TOEICは採用基準ではありませんが、目安として700点以上はほしいところです。即戦力が期待される中途採用なら、900点以上が求められます。さらにもう1カ国語、現地の言葉をある程度使える人なら理想的です」

次のページ
商社やメガバンクの内定を蹴って…