「どこかプロダクションに所属すれば、面倒なことは事務所に任せればいい。フジテレビの人気女子アナだった景子夫人ともども、声をかけようとしているプロダクションはいくつもあると聞いています。うちへも貴乃花親方と景子夫人セットで来てほしい。貴乃花親方という大看板なら、相撲解説以外でもワイドショーのコメンテーターなど充分、務まりますよ。貴乃花親方が覚悟を決めたら、激しい争奪戦がはじまるんじゃないか。景子夫人がいたフジテレビは視聴率が最近、伸び悩んでいるので、貴乃花親方を是が非でもほしいでしょう」

 相撲界から離れるとなると、協会などからの収入がなくなるので、何らかの稼ぎが必要となる。貴乃花親方に近い親方はその将来についてこう語る。

「貴乃花親方、今は次の人生など考える余裕はない様子。だが、しっかり者の景子夫人はすでに何か構想を持っているはず。できれば、相撲とはずっとかかわってほしい。NHKよりもインターネットで中継しているAbemaTV(アベマTV)で解説をやってほしい、という声もあります。私も経験したことがありますが、NHKの解説は言いたいことが10あっても言えるのは1~2です。abematvなら、序ノ口の取組からすべて放送するから、思う存分、話ができる。協会批判だって正論なら大丈夫なはず。これまでNHK見ていた層とは違い、ネットユーザーはSNSなどですぐに支援してくれるはずで、貴乃花親方にとってはぴったりだと思う」

 一方で、貴乃花親方に批判的だった親方はこう突き放す。

「もう貴乃花親方には協会だけでなく、相撲界にもかかわらないでほしい。一代年寄だといっても辞めたら終わりだ。難題ばかり言う貴乃花親方が消えてスカッとした。外から協会に文句言って、ひっかきまわすようなことはするなと言いたい。残る弟子も迷惑だよ」

 引退しても貴乃花親方は当面、世間を騒がせそうだ。(今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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