古賀茂明「安倍氏と石破氏のどっちが危険? 大手マスコミに代わり判定する」 (2/6) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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古賀茂明「安倍氏と石破氏のどっちが危険? 大手マスコミに代わり判定する」

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著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

安倍総理(左)と石破氏 (c)朝日新聞社

安倍総理(左)と石破氏 (c)朝日新聞社

 また、政府も一貫して自衛隊合憲論を唱えてきており、その考え方は、国民の間にも広く浸透しているので、いまさら、「自衛隊員に申し訳ない」などというのは取ってつけた議論に過ぎない。

 しかし、安倍総理が、あえてそのような主張をするのは、9条改正に対して、依然として、国民の間に反対が根強く、大きな改正をすると言うと、国民投票で負ける恐れがあることを知っているからだ。しかし、安倍氏は、国民が反対していても、何とか改憲してしまいたいという気持ちを持っている。そこで、あえて、「何も変わらない」という「ウソ」を唱えて、改憲の是非についてまだ答えを出していない無党派層、中立層に対して安心感を与えて(と言えば聞こえはよいが、よくわからないうちに騙してという方がいいかもしれない)改憲に賛成させようという作戦である。

 一方の石破氏の改正案は、自民党の改憲草案と同じく、9条2項を削除し、これに代わって、「前項(戦争放棄の規定)の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」という条項を入れるというものだ。そのうえで自衛隊の保持規定を新たに設ける。これは、自衛隊は紛れもなく戦力であり、自衛のためとはいえ、「戦力不保持」という条文と矛盾しているから、そういう条項は削除するというわかりやすい考え方だ。また、自衛権を「解釈論」で限定的に認めるのではなく、集団的自衛権を含め、自衛権は、日本が独立国である以上は、国連憲章で認められているとおり、日本にも当然に認められるものだとし、1項の戦争放棄だけだと、自衛権まで放棄しているという解釈論が出てくるので、そうではないことを明記するという考え方である。

 さらに、「交戦権」は、単に戦争をする権利というものではなく、戦争のルールを定めたものであって、交戦権を認めないということは戦争のルールを認めないということと同じでおかしな議論だとする。話が専門的になるため、多くの国会議員さえ理解していないが、自衛のためであっても、ひとたび戦争を始めるとなれば、戦争に関する国際ルールに従う義務が生じ、逆に国際法上の権利が認められる。だから、「交戦権否認」というと、敵に攻められたときに一切の国際ルールの適用を否定するという意味にもなり、日本が国際法違反をしますということになる。また、自衛隊員が捕虜になったときにその国際法上の権利を否定するともとられかねない。その意味でも、この条項は廃止すべきであるというのだ。(私は石破氏とは憲法論において全く異なる立場を取っていて、石破氏の議論には納得できない点があるが、本稿は、安倍氏と石破氏のどちらが危ないかを論じるためのものであるので、いちいち、石破氏の論に反論することはしない)



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