山根会長は本誌の取材でも、指定暴力団の元組長だった、M氏との関係を明確に認めている。

「M元組長は、若いときからよく知っている。食事に誘われたり、招待したりや。だが、組員ではなかった。ワシは一匹狼、愚連隊や。M元組長には世話になっていない」

 だが、ボクシングとは関係がないから、問題ないと述べていた。

 だが、M元組長はこう本誌の取材で語っていた。

「日本ボクシング連盟の会長になってからも幹部を連れて、うちに挨拶にも来たよ。愚連隊って、うちがバックにおるから一人で喧嘩したり、好き放題できたんや。何をとぼけたこと言ってるんや。もう、時代は平成から変わろうとしている。山根の頭は古き良き、昭和時代のまま。早くすべてやめるべき」

 スポーツ庁の鈴木大地長官も、山根会長の反社会的勢力との関係を厳しく言及している。

「山根会長には、すべての役職から引いてもらい、永久に日本ボクシング連盟に関与しないように、除名を求めたい。そうするしかない」(前出・日本ボクシングを再興する会のメンバー)

 苦しい立場に追い詰められた山根会長だが、本誌にこう宣言していた。

「再興する会とは、これから法廷で戦っていく。売られたケンカは買いますよ。男、山根明、黙ってられん」

 まだまだボクシング連盟を巡る混乱は続きそうだ。(今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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