


助成金の流用、不正審判問題の告発騒動で、辞任表明した日本ボクシング連盟の山根明会長(78)。
だが、8月8日の記者会見では「辞任する」とだけ一方的に語り、どう辞めるのか、は一切、説明していなかった。山根会長は本誌の取材にこう宣言していた。
「連盟の終身会長、理事は辞めますが、これからもアマチュアボクシングとの関係は変わりません」
アマチュアボクシンに関与してゆくことを宣言したのだが、山根会長のこの姿勢が「新たな火種」となっている。
8日の辞任表明後、山根会長はしばらくマスコミから姿を消した。
しかし、その間、なんと8月に大阪で開催される、アマチュアボクシンの大会の打ち合わせに参加していたというのだ。その大会は、15歳以下の子供たちを対象にした「全日本UJ(小学校・中学校)ボクシング王座決定戦」というもの。
「子供たちから見れば、野球でいう夏の甲子園のような大会」(関西ボクシング連盟の関係者)
ボクシング関係者によれば、山根会長は関西ボクシング連盟の会長という立場も有しており、その肩書で参加したという。
子供たちは、日本ボクシング連盟主催の大会に出場した場合、高校に進学しても高校総体など、大きな大会に参加できる。だが、プロボクシング主催の大会に出場した場合、高校では高校総体には参加できないという。
「これはプロと確執がある山根会長が、アマチュアボクシン連盟の力を誇示するがために昨年からはじめた制度。それだけに、思い入れが強く打ち合わせに参加したそうです」(前出・ボクシング連盟関係者)
席上、山根会長は特段、目立った発言はなかったそうだ。しかし、山根会長を「告発」している日本ボクシングを再興する会のメンバーの1人はこう訴える。
「日本ボクシング連盟の会長、理事は辞めても関西ボクシング連盟の会長は辞めないということになってしまう。これでは意味がない。関西を束ねて、権力基盤を確立してまた理事に復帰ということも考えられる。この大会は子供たちのもの。暴力団との関係を認めた山根会長の関与は絶対に認めることができない」