もちろんこんなことを言うやつは論外である。さすがにナンパの領域を超えて失礼なことをされているのだと判断して、ブチ切れるか、ホテルの従業員に言って警察にでも通報してもらおう。

 たかがナンパだが、旅の思い出を踏みにじられてはたまらないし、取り返しのつかないトラブルに巻き込まれるなど論外である。

 毅然と断るよりも、カドをたてることなく、相手に「ここから先はダメだから」と、引き下がるきっかけを与える感じで、上手に回避してしまおう。再三再四強調するが、なかには本当に親切にしてくれる人だっているからだ。旅の出会いは大切にしたいが、それでも警戒を怠ってはならないと思う。ぜひとも楽しい夏の思い出をつくってもらいたい。(文/ジャーナリスト・丸山ゴンザレス、イラスト/majocco)

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丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス/1977年、宮城県出身。考古学者崩れのジャーナリスト。國學院大學大学院修了。出版社勤務を経て独立し、現在は世界各地で危険地帯や裏社会の取材を続ける。國學院大學学術資料センター共同研究員。著書に『世界の危険思想 悪いやつらの頭の中』(光文社新書)など。

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