「フィジカルが弱い」はウソ…日本代表への誤解を解いたセネガル戦【西部謙司】 (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「フィジカルが弱い」はウソ…日本代表への誤解を解いたセネガル戦【西部謙司】

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セネガル戦で同点ゴールを決めた本田(中央)と喜ぶ大迫(右) (c)朝日新聞社

セネガル戦で同点ゴールを決めた本田(中央)と喜ぶ大迫(右) (c)朝日新聞社

■「メンタルが弱い」も誤解だ

 ただ、日本の失点は原口元気の中途半端なヘディングでのクリアを拾われただけで、高さで競り負けたわけではない。そもそもハイクロスのターゲットは逆から詰めてくるサディオ・マネなのだが、身長はマッチアップする酒井宏樹より低いのだ。セネガルがなぜこのハイクロスを狙っていたのかはむしろ謎である。ついでに言えば、CKを長身のニアンが蹴っていたのもよくわからなかった。他に長身選手がいるとはいえ、CFがCKを蹴る、しかもヘディングが強力なニアン、さらに低いボールを蹴っていた点は日本にすれば助かった。

 サイドの攻防に話を戻す。日本は攻め込まれているだけではなかった。逆に長友を高い位置に送り込み、同点ゴールを奪っている。こちらは相手のミスではない。長谷部誠を下ろして昌子を左へ開かせ、長友を押し出した。いわゆる「ミシャ(北海道コンサドーレ札幌・ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の愛称)式」の左だけバージョンといえる。長友の背後を昌子がカバーできているのがポイントだ。ガーナとの親善試合で3バックをテストしたのは、このための布石だったのかもしれない。

 2度、同点に追いついた日本のメンタルの強さが話題になったが、国際舞台で日本の「メンタルが弱い」も、サッカーに関しては誤解である。1998年にアルゼンチンと初めてのワールドカップを戦った試合でさえ、日本選手に気後れはまったく感じられなかった。中山雅史はファーストタッチで股抜きを狙っていたものだ。実はフィジカルもメンタルも弱くない。セネガル戦の日本は、それを示してくれた。(文・西部謙司)


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