野手としては史上最多タイとなる7球団から1位指名を受けてプロ入りした清宮幸太郎(日本ハム)。キャンプでは体調不良、限局性腹膜炎で出遅れ開幕一軍入りは逃したものの、二軍では5試合で4本塁打を放ち5月2日に一軍に昇格を果たすと、デビューから7試合連続安打をマーク。
5月9日にはプロ入り初ホームランを放つなどその大物ぶりを示したかと思われたが、翌日以降そのバットは完全に沈黙し5月15日終了時点で打率は2割を下回り、プロの壁に苦しんでいる状況だ。まだわずか10試合程度の出場ではあるが、ここまでの一軍の打席を振り返り、清宮の長所と課題を検証してみたいと思う。
改めて5月15日時点の清宮の成績は下記の通りである。
12試合 46打席 43打数 8安打 1本塁打 1打点 3四球 0死球 19三振 打率.186 出塁率.239
まず気になるのはやはり三振の多さである。12試合で19三振ということは、仮にこのペースで143試合出場したとすると、シーズン226三振という数字になる。ちなみに日本記録は1993年にブライアント(近鉄)が記録したシーズン204三振であり、いかに清宮の三振数が多いかがよく分かるだろう。そして、三振数と反比例して四死球の数は少なく、こちらもシーズンに換算すると36個となる。昨年規定打席に到達し、20本以上のホームランをマークした23人の中でこの数字より少ないのはロペス(DeNA・29個)、ロメロ(オリックス・33個)、マレーロ(オリックス・34個)の3人だけである。
この三人のシーズン三振数は100を下回っており、明らかに早打ちのパワーヒッターの特徴が現れているが、清宮の場合は早打ちでありながら三振も多いというのが現状である。これまでの46打席でスイングした回数は90回あるが、そのうち空振りは42回であり、実にスイング2回に1回近くは空振りという計算になる。ストライクの見逃しは43打席で31球で1打席に1球以下と多くはないが、これだけ空振りが多ければ三振が多いのも当然である。
現時点ではバットにボールを当てる力が著しく低いということが言えるだろう。空振りの内訳を、さらに細かく見てみると最も多い球種はフォークの14回で次に多いのがストレートの10回となっている。そしてストレートは空振りを喫した10球中9球が147キロ以上のスピードのボールだった。