テレビ朝日は19日午前0時から緊急の会見を開き、女性記者が財務省の福田淳一事務次官から「セクハラ被害を受け、週刊新潮に情報提供をしていた」と発表した。
当初、この女性記者は上司に相談したが、上層部が対応を取らず、「セクハラについて事実を曖昧にしてはいけないという思い」で週刊新潮に情報提供をしたことも明らかにした。
会見した篠塚浩取締役報道局長は「セクハラに対する意識が低かったと言う批判は、甘んじて受けなければいけない。情報が共有されていなかった」「新潮社から録音をくれと言われ、本人は迷ったけれど提供した」「今月4日の分の録音を一部、渡した。新潮が公表した音声は4日の録音のものと一致している」「謝礼はもらっていない」などと説明した。
一方、女性記者へのセクハラ発言を繰り返したと週刊新潮に報じられた財務省の福田事務次官は18日、一転して辞意を表明した。だが、同日夕に記者会見した福田事務次官は週刊新潮に報道された内容については「事実と異なるものと考えており、裁判の中で争ってまいりたい」と身の潔白を訴えていた。
当面は省内で福田氏から聴取を行った、部下の矢野康治大臣官房長が代行する。
週刊新潮は女性記者と福田氏のやりとりとする音声データを公開。麻生財務相も「聞いた感じでは福田じゃない?という感じがしました」と認めていた。
ところが、財務省は2日前の16日、福田氏が「女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない」と事実を否定した聴取結果を発表。また財務省記者クラブの加盟各社に、被害を訴える女性記者に「調査への協力をお願いしたい」とし、弁護士へ連絡するよう異例の呼びかけをしていた。
テレビ朝日の篠塚報道局長は「財務省への抗議はできるだけ速やかに行いたい」と言及した。
浅はかな真っ赤な嘘が次々とバレた福田次官。東大法学部卒業、財務省に入り、妻は元文部事務次官でリクルート事件で逮捕された、高石邦男氏の娘。まさにエリートという言葉がぴったりの福田氏だが、その"セクハラ"ぶりはかねてから知られるところだった。
ある女性記者は「週刊新潮の話は、本当だと思います」と自身の体験を明かした。3、4年前、福田氏から携帯に直接電話で誘われ、指定されたバーに行った。先に着いていた福田氏はカウンター席に座り、ロックのウイスキーなどを何杯もおかわりし、酔った様子だったという。
「当時、財務省で懸案の話で質問すると、『今日はこのあとキミの家にいってゆっくり話をするんじゃないの』『そう思って僕のところに来たんだろう』と言われました。前に、福田さんには気をつけろみたいな話を聞いたことがあったのですが、こういうことかと思いました。それでも仕事の話を聞くのですが『そのジャケット、似合っているよ。脱がせたいな』と言われて……。『福田さん、酔っぱらいすぎですよ』とかごまかして、なんとか店を飛び出して帰りました」