そして、最近の五輪で大きな注目を集めている競技がカーリング。「氷上のチェス」とも呼ばれ、氷の質の読み合い、ストーンの通る道をブラシで掃くパワー、技術などが問われる。

 日本は16年の世界選手権で男子代表SC軽井沢クラブが4位、女子代表のLS北見が2位に入り、平昌でもこの両チームが代表となった。カナダ、イギリス、北欧(北ヨーロッパ)の国々が強いが、日本のチームも国際経験が豊富なだけに、ベスト4進出は十分に狙えるだろう。

■さらにいい色を

 そして次は、雪の上で争われる競技に目を移していこう。日本でメダルが期待されているのはジャンプだ。

 日本ジャンプ界の顔ともいえるのが、「レジェンド」と呼ばれる葛西紀明選手。葛西選手は1992年のアルベールビル大会が初めての五輪出場。今回、平昌のジャンプ台に立てば8大会連続の五輪となる。前回のソチ大会ではラージヒルで銀メダルを獲得しており、さらにいい色のメダルが欲しい。

 女子に目を転じると、ソチ大会には17歳で参加し、本命視されながらも4位に終わった高梨沙羅選手の成長が楽しみだ。ジャンプは風の向き、強さが大きく影響するので、どんな状況になっても動じないメンタルの強さが求められる。21歳になった高梨選手の新しい強さが見てみたい。

 また、近年人気が高まっているスノーボードでは、ソチ大会のハーフパイプで中学生ながら銀メダルを獲得した平野歩夢選手が大けがから復活。今季のW杯で優勝を飾り、五輪本番に向けて視界は良好だ。

 およそ2週間にわたり、たくさんの競技を存分に楽しめそうな予感がしてきた。(解説/スポーツジャーナリスト・生島淳)

【平昌五輪の主な注目選手】
<スピードスケート>
小平奈緒(31):オランダ武者修行の成果で連戦連勝。まだまだ成長中。
高木美帆(23):初五輪は中学時代。持久力に自信。長距離に期待!

フィギュアスケート
羽生結弦(23):目指すは五輪連覇。くまのプーさんが心の支え!?
宇野昌磨(20):4回転ジャンプの安定性を高められるかがポイント。
宮原知子(19):12月に先シーズンの故障からようやく復調。両親は医師。

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