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古賀茂明「米朝戦争のリスクとコストは日本へという米中密約説」

連載「政官財の罪と罰」

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著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

金正恩氏=労働新聞のホームページから (c)朝日新聞社

金正恩氏=労働新聞のホームページから (c)朝日新聞社

トランプ大統領=5日、ワシントン、ランハム裕子撮影 (c)朝日新聞社

トランプ大統領=5日、ワシントン、ランハム裕子撮影 (c)朝日新聞社

●ティラーソン国務長官の失言問題に隠れた重大発言

 密約説は、あくまでも噂に過ぎないと言って一蹴する人も多いだろう。ただ、昨年末には、この密約説と符合する重大な発言があったことは、あまり認識されていない。

 それは、12月12日にティラーソン米国務長官が、ワシントンのシンクタンク、アトランティック・カウンシルでの講演で発言したものだ。この講演は、実は、即日世界中に大きく報道された。それは、ティラーソン氏が、「北朝鮮と前提条件なしに交渉する用意がある」

「まずは会おうではないか。北朝鮮が望むなら、天気の話をしてもいい」と発言したためだ。

 これまで、核の放棄を対話の前提条件としていたトランプ政権の方針と全く異なるこの発言に、世界は、「方針大転換か?」と色めき立った。しかし、ホワイトハウスが即座に否定し、本人も間もなく訂正したため、それで話は終わったかに見えた。

 しかし、この話とは別に、韓国などでは、非常に大きく報道されたことがあった。それは、ティラーソン氏が、「北朝鮮政権崩壊の時に米国にとって最重要なのは核兵器の確保である。そのために休戦ラインを越えても、必ず北緯38度線以南に戻ると中国に約束した」「中国は北朝鮮から難民が大挙して流入してくることに備えている」と発言したからだ。米中がそこまで具体的に戦争を前提にした話をしていたということを米国務長官が公表したのだから驚くのは無理もない。その後、日本のテレビなども事の重大性に気づいて二日くらい遅れて少し大きく扱うところもあったが、一日でそのニュースは消えてしまった。

 しかし、米中密約説を知っている者なら、このティラーソン発言には、「やっぱり、そうだったのか!」という反応になるのではないだろうか。

 先に述べた中国の「二つの懸念」に対して、米中が話をしていることがよくわかる内容だ。しかも、密約の内容とぴったり符合する話が行われているようにもとれるのである。



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