古賀茂明「米朝戦争のリスクとコストは日本へという米中密約説」 (3/6) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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古賀茂明「米朝戦争のリスクとコストは日本へという米中密約説」

連載「政官財の罪と罰」

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著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

金正恩氏=労働新聞のホームページから (c)朝日新聞社

金正恩氏=労働新聞のホームページから (c)朝日新聞社

トランプ大統領=5日、ワシントン、ランハム裕子撮影 (c)朝日新聞社

トランプ大統領=5日、ワシントン、ランハム裕子撮影 (c)朝日新聞社

 しかし、トランプ大統領の行動は予測不能だと考えれば、最悪の事態に備える必要がある。中国も米朝戦争が始まった時のことを真剣に考えざるを得ない。

 その場合、中国が最も恐れることは二つあるといわれる。一つは、北朝鮮から大量の難民が中国国境沿いに流入してくることだ。この地域には、もともと朝鮮民族が多く居住している。そこに大量の朝鮮人が流入してくると、ここでの少数民族問題が深刻化し、これが、他地域の民族問題にまで波及しかねない。

 もう一つの大きな問題は、北朝鮮が米韓軍に敗北した場合、米韓中心に朝鮮半島が統一され、米国の勢力下にある国と中国が直接国境を接することになることだ。これは、中国の安全保障の観点からは許されない事態だ。

 逆に言えば、この二点が解決される方法があれば、戦争となった場合でも不幸中の幸いということになるのかもしれない。

●嘘であってほしい米中密約説

 ここまで述べてきたことと関連して、昨夏から一部の中国専門家の間で囁かれる怖い話がある。何かハードエビデンスがあるというわけではないから、細かい点では人によってバリエーションがあるのだが、おおむね以下の内容の密約がある、または、密約が成立しそうだというのである――

・米国が北朝鮮を攻撃し、核兵器を確保するため北朝鮮領内に入ることを中国は容認する。

・ただし、南北統一まではせず、北朝鮮に中国が容認する形での新体制を作る。

・米国は、中国が北朝鮮領内に入り、中国との国境沿いに難民キャンプを作り国境管理をすることを認める。

・米側は、北朝鮮の核を抑えたら直ちに休戦ラインから韓国内に退去する。

・終戦後、韓国内のTHAAD(高高度ミサイルシステム)は撤去し、在韓米軍も大幅に縮小する。

・北朝鮮の復興プランは、米中が主導して作る。

・ただし、難民キャンプや北朝鮮の復興費用は日本と韓国に負担させる。米国は負担しない。

 ――この密約の中に日本の役割は、ほとんど入っていない。ただ、最後の部分は、「とんでもない」内容だ。全部日本につけ回しって、どういう理屈でそうなるのだろうか?

 しかし、あのトランプ大統領と安倍総理の関係を前提にすれば、「うん、なるほど」と頷きたくなるのは私だけではないだろう。もし、北朝鮮復興のコストを日本がかなり負担するとなると、それは戦争の費用の何倍、いや何十倍にもなりかねない。それも、何十年かの間続くことになる。



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