ソフトバンク・田中正義(c)朝日新聞社
ソフトバンク・田中正義(c)朝日新聞社

 プロ野球は早くも来季へ向けて動き出している。今秋のドラフトで指名されたルーキーたちの他にも、各球団にはすでに有望な若手たちが多数在籍している。来季の新人王の資格(入団5年以内、投手30イニング以内、野手60打席以内)を持つ選手を対象に、次代のブレイク候補たちをセ・パのリーグ別に順位付けしよう。今回はパ・リーグ編だ。

<パ・リーグ>
【1位】田中正義(ソフトバンク
 創価大からドラフト1位で5球団競合の末にプロ入りした剛腕。注目されたプロ1年目は、2軍で1試合に登板して3イニングを2安打2失点、三振1での防御率6.00。右肩の違和感からノースロー調整が続き、投球再開後はフォームを崩して制球が定まらなかった。だが、最速156キロで空振りを奪える力強いストレートには、依然として大きな夢が詰まっている。ポテンシャルは球界トップレベル。来季はリリーフ転向プランも浮上中。あとはコンディション次第だ。

【2位】堀瑞輝(日本ハム
 広島新庄高のエースとして甲子園に出場し、その後のU‐18アジア選手権で評価を上げた左腕。日本ハムから1位指名を受けてプロ入りすると、1年目の今季は2軍で11試合3勝1敗、防御率1.98。8月には1軍デビュー、9月にはプロ初先発し、黒星を喫したものの5回1失点と試合を作った。アジアチャンピオンシップに臨んだ稲葉ジャパンにも選出され、注目度は増す一方。伝家の宝刀スライダーは一流打者相手にも威力を発揮する。

【3位】愛斗(西武
 走攻守三拍子揃い、特にパワフルな打撃は魅力たっぷり。花咲徳栄高からドラフト4位でプロ入りし、高卒2年目の今季は故障離脱こそあったものの、2軍で43試合に出場して打率.358をマーク。豪快なスイングで、53本の安打のうち、2塁打12本に3塁打1本、そして8本塁打で長打率.615の数字を叩き出した。6月には1軍昇格も果たして計9試合に出場したがプロ初安打はお預け。まずは1年間戦える強い体を作ること。それができればブレイクの時は近い。

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