■気になる小野寺防衛相発言

 日経新聞などの報道によると、富士山会合(国際関係や安全保障について日米の政府関係者や有識者が話し合う国際会議)で10月28日、小野寺五典防衛相は北朝鮮の核・ミサイル開発問題について次のように発言している。

『残された時間は長くない。今年の暮れから来年にかけて、北朝鮮の方針が変わらなければ緊張感を持って対応せねばならない時期になる』

『軍事的な衝突になった場合の備えを日米韓3カ国で議論する必要がある』

『トランプ氏の外交努力が成功裏にならなければ、私たちは緊張感をさらに増す』

『トランプ氏はすべての選択肢がテーブルの上にあると発言した』

 つまり、トランプ大統領の今回のアジア歴訪での外交努力の成果が挙がればよいけれども、それがうまく行かず(その可能性は高い)、北朝鮮の核・ミサイル開発が止まらなければ、軍事的衝突になる可能性がいよいよ高まっているということのようだ。

 そして、その時期は、早ければ年末から年明けにも訪れるかもしれないと言っているようにも取れる。つまり、今後数カ月で戦争の危機が一気に現実化する可能性があるということである。

■軍事侵攻は空爆や斬首作戦だけでなく地上侵攻も

 11月4日付の米紙ワシントン・ポストは以下のように報じた。

 『米国防総省幹部が米議員に宛てた書簡の内容として、北朝鮮が保有する全ての核兵器の保管場所を特定してそれらを掌握する、最も確実かつ唯一の方法は米軍による地上侵攻だと伝えた』

 『米国防総省の統合参謀部副部長のものとされる書簡は一方で、北朝鮮に地上侵攻した場合、同国に生物化学兵器を使用させることになるだろうと警告している』

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