日本人はジョークがヘタでしょ。でも、世界のジョークのネタになる民族としてはかなり上位。日本人を題材にしたジョーク集はたくさんあります。例えば、ある国会議員が戦後初めて訪米団の一員として米国へ行った時の話。米国はジョークの国だからジョークを覚えていかなくちゃダメだと言われて、一生懸命覚えていったらしいんです。それでアメリカの議員と会った時に、“My country is rice country. Your country is also rice country. Both the same.”と笑ったそうなんだけど、シラーとされちゃった。

 意味わかります? 「日本は米の国だ。アメリカは“米国”だからライスカントリー。同じだ」って。そう言われても、漢字を知らない米国人にはわからないよね。これ実話ですよ。こういう話ってバカバカしいんだけど、聞いていて楽しいでしょ。

 笑いはとっても難しいんです。泣くという感情は割と万国共通なんですが、笑いは育ちや国によっても違うし、地域差がある。だからこそ、笑いのある高齢者ホームは理想ですね。いまの日本は明るくないでしょ。政治に笑いがなさすぎるって気がするんです。これは総理大臣の、トップの資質によるんだと思う。

 振り返ってみると、吉田茂、田中角栄、小泉純一郎はなんとなく明るかった。人間が陽だったんですよ。安倍晋三は陰ですね。一緒に飲みたいとは思わないな。逆に、田中角栄は飲んでみたいけどね(笑)

(文/坂口さゆり)