日米通算2000安打に続いて、すでに2015年に日本のみでの通算2000安打も達成した松井は、ケガと不振に喘いだ昨季から脱却した姿を見せている。出番こそ少ないが、今季2度目のスタメン出場となった4月22日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で今季1号弾を放てば、6月13日のヤクルト戦(神宮)では3安打5打点の大暴れ。首位を走るチームを要所で支えている。同じく新井も首位快走に貢献中。昨季、通算2000安打に加えて300本塁打、そしてリーグ優勝&リーグMVPと「夢のようなシーズン」を過ごした男が、今季は開幕当初に4番の座を鈴木誠也に譲った後は代打の切り札として存在感を発揮。新井が打てばカープ打線全体が勢いに乗る“火付け役”ぶりも健在で、その勝負強さと野球への情熱はまったく衰えていない。

 そして、なおもスタメンで奮闘する選手は福留と荒木だ。昨年6月に日米通算2000安打を達成し、同年7月には自身2度目のサイクル安打を記録した福留は、今季も開幕から不動の4番打者として奮闘。打率はやや低迷で疲労蓄積も懸念されるが、打線の中での存在感は依然として大きい。プロ22年目を迎えた荒木は、6月3日の楽天戦(ナゴヤドーム)で通算2000安打を達成。歴代最少の33本塁打での2000安打達成者としても話題を集めた。現状、谷哲也との併用となってはいるが、球界随一とも言える華麗なセカンド守備は健在だ。そして相川も、出番こそ少ないが5月20日に1軍登録されて以降はチームに帯同し、控え捕手、代打としてチームのために尽力している。

 こうして見ると 彼らはまだまだ欠かせない戦力であることが分かる。ベテランたちが見せる全力プレー、問いかける言葉と無言で見せる背中は、後輩たちに大きな影響を与え、ファンの心を掴んで離さない。若手の躍進、新しいスターの登場にはワクワクするが、ベテランの奮闘には思わず涙腺が緩む。