2人目は、ここまで4試合で打率.500(16打数8安打)と好調を維持するグラシアル。打順的には6番に入っているが、3番・セペダがここまで打率.091(11打数1安打)、5番・サーベドラが打率.214(14打数3安打)と調子が上がっていないため、後がない今回の日本戦ではグラシアルがクリーンアップに繰り上がる可能性もある。前回の日本戦でも2塁打2本の4打数2安打をマークしており、警戒が必要だ。

 そして3人目が、今大会で打率.417(12打数5安打)に加えて、4試合で3本塁打を放っているデスパイネだ。2014年7月に来日してロッテで2年半、そして今季からソフトバンクに移籍した大砲は、前回の日本戦で則本昂大(楽天)の148キロ外角直球をライトスタンドへ叩き込むと、10日のオーストラリア戦で満塁弾、12日のイスラエル戦では第1打席に先制のソロアーチを放っている。

 前回大会でも打率.389、3本塁打の大暴れ。大舞台での勝負強さ、集中力の高さには目を見張るものがある。菅野とは昨年6月17日の1試合に対戦したのみで3打数1安打。デスパイネを抑えることはもちろん、この男の前に走者を置かないことも重要になる。

 菅野にとって心強いのは、普段から正妻役を務める小林誠司(巨人)が今大会絶好調かつ試合毎に成長の跡を見せていること。投げ慣れた東京ドームのマウンド、スタンド全方位からのファンの後押しもプラスに働く。「長いイニングを期待します」と小久保監督。1勝1敗で2次ラウンド最終戦を迎えることは避けたい。菅野が、日本の真のエースになれるか。今後の日本の戦いを左右する重要なマウンドになる。