その1回目はクリーンをして立ち上がると、あっさりとバーベルを落とした。バーベルを首まで持ち上げた時、左肘が微かに足に付く反則を犯したからだ。

 だが最後の挑戦では、厳しい表情で立ち上がってクリーンを決めると、持てる力のすべてを出し尽くすような表情で持ち挙げ、成功を示す白ランプを3つを点灯させた。トータルは188kg。銀メダルを獲得した際のロンドンより10kgも少ない記録だが、ロシア選手のドーピング違反による欠場により、中国がロシアの抜けた階級で確実に金メダルを確保しようと48kg級には選手を出場させなかった追い風も、しっかり利用できた結果だった。(文・折山淑美)