合宿も兼ねて出場するヨーロッパグランプリのカネ大会(フランス)とバルセロナ大会(スペイン)には、6月1日に出発。

「海外選手たちのなかで、たくさん経験を積んできたいと思っています」

 その言葉通り、恐れ知らずの15歳はカネ大会では50mバタフライで25秒97の日本高校新記録を樹立。バルセロナ大会では新記録は出せなかったものの、100mバタフライと100m自由形で2位表彰台を獲得する。専門外ではあるが、200m個人メドレーでは2分13秒52の自己ベストを更新した。

「日本選手権ほどではないけど、身体は軽かった。この大会は、去年思うような記録が出せなかったんですが、今年は雰囲気にも慣れて、タイムを上げられたので良かったです。少しは世界に近づいているかな、と思います」

 全くもって、物怖じしない性格だ。どこへ行ってもマイペース。そして、「毎レース、自己ベストが出ないと納得できない」という、上昇志向の塊だ。リオデジャネイロ五輪では、100mバタフライと400mリレー、800mリレー、400mメドレーリレーの4種目に加え、50m、100m、200mの自由形にもエントリー。五輪という大舞台でタフなレースを強いられるが、本人は至って平常心だ。

「若さのパワーで頑張りたい」

 恐れ知らず、疲れ知らずの高校生が、夢の舞台で大躍進を遂げる瞬間を楽しみに待ちたい。(文・田坂友暁)