リオ五輪では7種目にエントリーしている池江璃花子(写真:Getty Images)
リオ五輪では7種目にエントリーしている池江璃花子(写真:Getty Images)

 6月25、26日に開催された、東京都高等学校選手権。50mと100mの自由形に出場した池江璃花子(淑徳巣鴨高/ルネサンス亀戸)は、6月のヨーロッパグランプリに出場したあと、フランス・カネでの海外合宿を経て帰国直後だったにも関わらず、100m自由形で53秒69の日本新記録を樹立した。これで、昨年10月から数えて、1年足らずで4つの日本記録を更新する躍進ぶりを見せつけた。

 池江が注目を集め始めたのは、今から2年前。2014年3月の全国ジュニアオリンピックカップ春季大会で、短水路(25mプール)ながら2つの中学新記録を樹立。さらに同年夏、はじめてジュニアの日本代表入りを果たして、同じスイミングスクール系列の仲間であり、ライバルである持田早智(千葉商科大学付属高/ルネサンス幕張)と中学新記録を塗り替え合った。

 2015年4月の日本選手権で、世界水泳選手権の代表権を獲得し、念願のA代表に選ばれたが、世界水泳本番ではあまり記録はふるわなかった。初出場の緊張があったのかと思いきや、「世界との差を実感しました。もっと頑張らないとな、と思いました」と、なんとも素直な感想を口にする。

 その気持ちが結果につながったのか、同年9月の和歌山国体では、50m自由形で日本人2人目となる24秒台で泳ぐ活躍を見せ、勢いをそのまま持続させた池江は、10月のワールドカップでは100mバタフライで、はじめて日本新記録を樹立するまでに成長した。

 インタビューの受け答えもはっきりしており、「取材でも特に緊張することもなくて、普通に話せるので、嫌だとかは考えたことがないですね」と、どこか大人びた印象を受ける池江の立ち振る舞いだが、素顔はまだ高校1年生。同級生で仲の良い今井月(豊川高)もリオデジャネイロ五輪代表に入っており、二人でいるときはあどけない笑顔を見せる。

次のページ