他の3試合に比べて、やや大味に感じられたのが、パリ・サンジェルマン(フランス)対マンチェスター・シティ(イングランド)だ。

 2-2で終えた試合だが、失点のほとんどは、プロとして恥ずかしいレベルのミスに起因している。両チーム共に、攻撃のクオリティは世界最高レベルだが、優勝に値する試合をしたとは到底言えない。どちらが勝ち抜いても、バイエルンやバルセロナに勝つイメージは乏しい。第2戦は、試合の安定と、集中力が求められる。

 最後に、難敵であるアトレティコ・マドリー(スペイン)を2-1で破ったバルセロナ。

 フェルナンド・トーレスの先制ゴール、直後の退場と、トーレスの一人舞台でアトレティコが自滅した感はあるが、しかし、圧倒的に相手を締め上げるバルセロナのポゼッションは、さすがとしか言いようがない。

 バルセロナは後半に2点を奪い、辛くも逆転したとも受け取れるが、しかし、一歩ずつ、少しずつ、ゴールににじり寄ってくるような攻撃は非常に安定している。スコアは2-1だが、いつゴールを奪ってもおかしくない展開であり、堅守のアトレティコとしては2点で耐え、第2戦に望みをつないだと言える。

 振り返ると、ファーストレグの4試合で最も強さを見せたのは、前年度王者のバルセロナだ。

 チャンピオンズリーグを連覇したチームは未だ存在しないが、ルイス・エンリケ率いるバルセロナが、その史上初の快挙を成し遂げるのか。

文=清水英斗