美輪明宏さん(撮影/御堂義乘)
美輪明宏さん(撮影/御堂義乘)

 師走に入り、1年を振り返るこの時期。良い1年だったと思う人もいれば、我が身の不幸を嘆く人もいるかもしれません。人の幸福と不幸は何で決まるのか? 朝日新聞土曜版「be」での悩み相談を、単行本『楽に生きるための人生相談』(朝日新聞出版)にまとめて出版した美輪明宏さんに聞いてみました。

 美輪さんが語る「いつでも、どこでも幸せになれる秘訣」とは、「感謝することを見つけること」。

「今の人は、あれが足りない、これも足りない、などと不満ばかりです。
 わたくしがよく言うのは、不満ばかりを探すのではなく、どんな小さなことでもよいから、感謝することを見つけること。そうすれば、今、こうしていられることへの感謝がわき、幸せを感じることができます。
 不満の数ばかりを数えるのではなく、幸せのほうの数を数えるようにすることです」

 確かに人は、周りの人と自分を比べることで、ねたみ、そねみ、ひがみを抱え、自らを不幸にしてしまいがちです。それについても美輪さんは、「そういう悩みを抱えていない人は、この世に一人もいません。人類すべてお互い様です」と語ります。だからこそ、不満ばかりではなく、見える、聞こえる、話せるといった、ふだんは当たり前と思っていることの中にも感謝することを見つけることが、幸せになれる秘訣なのです。

 もう一つ、誰もが抱える「人間関係の悩み」についての美輪さんの処方箋は、「丁寧な、美しい言葉を使う」こと。

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