「言葉というのは、恐ろしい力を持っています。昨今は、家庭でも、おまえ、てめぇ、などといった山賊のような会話が交わされたりしています。言葉の乱れが、社会の乱れになるのです。


 まず、正しい、丁寧な言葉遣いを取り戻すことです。会社では部下に対して『おまえ』ではなく、『きみ』と呼びかけます。『きみ』は『君子』のこと。相手に対する敬意が表されます。
 家庭でも奥さんや子どもに対して、上から目線で『おまえ』とは言わずに、『きみ』とか『あなた』とか、きちんと優しく語りかけることです。
 そして、女性がものを頼むときは語尾に『ね』や『な』を付けるようにします。『そうしてください』ではなく、『そうしてくださいね』。『こうしてください』ではなく、『こうしてくださいな』。 
 丁寧な言葉を使うことで、穏やかで、お互いに敬意がある柔らかな人間関係を築くことができるようになります」

 人間関係を円滑にしたいなら、まず自分がきちんとした言葉を使うこと、これは今すぐ実践できる処方箋ですね。

 美輪さんは、「飛行機のアナウンスでも『ませ』を使うことで、もっと綺麗な言葉になります。『シートベルトをお締めください』ではなく、『シートベルトをお締めくださいませ』のほうが、よほど柔らかく、美しく響くでしょ」と語ります。

 感謝と丁寧な言葉遣いで、幸福な新年を迎えたいものですね。

(構成・dot.編集部)